賃貸経営で入居者トラブルを避けるための対策
賃貸経営において、入居者トラブルはできるだけ避けたいものかと思います。入居者トラブルを減らすため、次のような対策を検討するとよいでしょう。
入居時に入居者をよく審査する
入居募集をした人を誰でも入居させるのではなく、事前に審査をすることが、トラブル予防策の1つです。収入状況や職業などからすべてがわかるわけではありませんが、トラブルを起こしにくいと判断した人のみを入居させるよう、ある程度入居時に選定をするとよいでしょう。
親族などの連絡先を確認しておく
特に、学生などの場合には、両親など親族の連絡先を確認しておくとよいでしょう。いざトラブルを起こした際には、親族へ連絡を取ると伝えておくことで、トラブルの抑止効果が期待できるためです。
家賃は銀行振替などとして引き落とし日を事前に通知する
家賃滞納のトラブルに限定されますが、その都度の振り込みではなく口座振替などとしておくことで、家賃の滞納を防ぐことにつながります。そのうえで、引き落とし日に残高不足により引き落としができない事態を防ぐため、引き落とし日をエントランスに貼り出すなどして通知するとよいでしょう。
サブリース契約を検討する
サブリース契約とは、いわゆる一括借り上げのことです。サブリース会社が物件をまとめて借り上げたうえで、サブリース会社が入居者の募集や物件の管理などを引き受けてくれます。物件オーナーが入居者募集をする必要がなく、入居者トラブルに直接対応しなくて済む点が大きなメリットです。
しかし、サブリース会社との契約書に記載された家賃保証期間の前に家賃が減額されるケースや、サブリース会社が破たんをしてしまうケースなど、サブリースに関するトラブルは少なくありません。サブリース契約を締結する際には、事前に外部の弁護士に契約内容を確認してもらいアドバイスを受けるなど、契約のリスクについてよく理解しておく必要があります。
契約時にトラブル発生時の対応を説明する
契約時に禁止事項などの詳細やトラブル時の対応などをよく説明しておくことで、安易な家賃滞納や契約違反への抑止効果が期待できます。
たとえば、ペット禁止の物件であっても、単に契約書にペット禁止と書かれているのみであれば、「小動物なら良いだろう」「外に連れ出さなければ良いだろう」など安易な判断でペットを飼育してしまう人もいるかもしれません。すべてのペットの飼育を禁じたい場合には、たとえば「ハムスターや熱帯魚も禁止」などと、詳細を説明しておくと齟齬が生じにくいでしょう。
そのうえで、仮に違反してペットを飼育した場合には退去してもらうことになるなど、違反時には厳格に対応する旨を伝えておくことで、抑止効果が期待できます。
こまめに共用部分の清掃などをして物件を管理する
エントランスにゴミが散乱していたり共用部分の電球が切れたままになっていたりすれば、物件の雰囲気は悪化してしまいます。雰囲気が悪化した物件ではモラルの低下も起きやすく、マナー違反や契約違反などのトラブルにつながってしまうことでしょう。定期的に物件を見回り、清掃などの手入れをすることで、トラブルの抑止につながります。
日頃から弁護士に相談できる体制を整えておく
入居者トラブルへは、できるだけ早期に対応すべきといえます。トラブルを放置すれば問題が大きくなることもある他、他の入居者にまでモラルの低下が広がってしまう懸念があるためです。
しかし、だからといって誤った対応をしてしまえば、さらなるトラブルの火種となってしまうかもしれません。入居者トラブルへ早期に適切な対応をするために、弁護士と顧問契約を締結するなど、小さなトラブルであってもすぐに弁護士へ相談できる体制を整えておくとよいでしょう。
◆まとめ
賃貸経営をしていくうえでは、入居者トラブルを避けて通ることは困難です。しかし、必要な策を講じることでトラブルをある程度予防することができます。
また、いざトラブルが起きた際にも早期に適切な対応を取ることで、問題を最小限に抑えることができるでしょう。