(写真はイメージです/PIXTA)

賃貸経営には、入居者トラブルがつきものです。家賃滞納やマナー違反などトラブルの内容はさまざまですが、いずれも早期の対応が求められます。本記事では、不動産法務に詳しいAuthense法律事務所の森田雅也弁護士が、賃貸経営における入居者トラブルへの対処法について詳しく解説します。

賃貸経営で入居者トラブルを放置することのリスク

家賃の滞納以外の入居者トラブルは、物件オーナーへただちに影響が及ばないものも少なくありません。そのため、物件オーナーとしては対応を面倒に感じることも少なくないかと思います。

 

しかし、トラブルを放置すると次のようなリスクが生じます。そのため、トラブルを知った際にはできるだけ早期に対応すべきでしょう。

 

問題が長期化すれば解決が難しくなる

トラブルを知りながら放置して長期化すれば、解決がより難しくなる可能性が高くなります。たとえば、家賃の滞納であれば、放置することにより滞納額が膨らんでしまい、全額を支払ってもらうことが困難となるでしょう。

 

また、ペットの飼育など契約違反を知りながら長期にわたって何ら対応をしなければ、物件オーナーが実質的にペットの飼育を認めていたと捉えられてしまう可能性が高いといえます。

 

物件全体のモラルが低下する

入居者トラブルを放置すれば、物件全体のモラルが低下するおそれがあります。たとえば、エントランスなど共用部分での喫煙を放置すれば、他の入居者も共用部分での喫煙を始めてしまうかもしれません。

 

また、ゴミ出しマナーを守らない入居者を放置すれば、他の入居者も乱雑にゴミを出す可能性が高くなってしまいます。壁への落書きを放置すればさらに落書きが増えるなどといわれるように、トラブルを放置すればさらにトラブルが増える可能性があるのです。

 

空室が増え収益性が低下する

入居者トラブルを放置して改善がされなければ、トラブルを起こさない入居者が退去し、新たな入居者が入りづらくなるリスクがあります。たとえば、深夜の騒音についてのトラブルを放置して改善がなされなければ、騒音に耐えられない他の入居者が退去する可能性が高いでしょう。

 

共用部分での喫煙や、ゴミ出しマナーなどであっても同様です。トラブルを放置すれば、いわゆるまともな入居者は徐々に退去していき、トラブルの原因となる入居者のみが残ります。そうなれば、先ほどお伝えしたように、物件全体のモラルが低下し、物件の雰囲気が悪化することでしょう。

 

そのような物件に積極的に入居したいと考える人は多くないため、家賃を下げなければ空室が埋まらなくなる可能性があり、収益性が低下するおそれがあります。

次ページ賃貸経営で入居者トラブルが起きた場合の対応法

本記事はAuthense不動産法務のブログ・コラムを転載したものです。

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