「ダメな自分」でも受け止める方法
■自己肯定感を上げる3ステップ
私は、自己肯定感を上げるためには「3ステップ」が必要と伝えています。
3ステップとは、自己否定→自己受容→自己肯定です。
自己否定(自分は無理だ、ダメだ)の状態から、自己受容(できてもできなくても自分を受け入れる)を経て、自己肯定(自分はできる)の状態へ。自己否定している人が、いきなり自己肯定感を高めることは難しいです。
だから、まず「自己受容」が本当に大事です。
そうはいっても、
「これまで、ずっと自分を責めてきた」
「これまでずっと頭の声だけに従ってきた」
という状況だとすぐには仲良くなれないものです。
私自身、その壁を乗り越えるのに、だいぶ回り道をしました。10年以上もがいていたときの課題の中心も、そこにありました。
自己受容できるようになるには、いいこともよくないこともまず、受け入れること。自分のインナートークが、ポジティブでもネガティブでも、そのまま「そうなんだ」と受け止める癖をつけましょう。
これができるようになると、上司の役割をまっとうすることも、人間関係もだいぶラクになります。
そして、自己受容と他者受容は比例します。
自分のよい部分、よくない部分をそのまま受け入れられる人ほど、他人のよい部分だけでなく、よくない部分もニュートラルに受け入れられるようになります。
たとえば、早起きするつもりだったのに、寝坊してしまった自分に苛立ったのなら、「そうか、寝坊した自分に腹が立ったんだね」と一度受け止めるのです。
部下の仕事ぶりを見て、「遅い!」と内心思ったのなら、「そうなんだ、部下の仕事ぶりを見て、『遅い!』と思ったんだね」と一度、そのまま受け止めます。
電車に乗っていて、急に後ろからドンと押されて「なんだよっ」と内心ムカッとしたのなら、「そうなんだ。ムカッとしたんだ」とそのまま受け止めます。
これが、自分と仲良くなる入り口、自己受容の入門編のひとつです。ぜひお試しください。
私は「自分と仲良くなる」方法を実践し、劇的に変わることができました。
だからこそ、ひとりでも多くの方に、「自分と仲良くなる」という素晴らしい体験、そしてその効果を味わってほしいのです。
まずはあなた自身が「自分は、本当は何がしたい?」を気持ちよく語れるように、もうひとりのあなたが自分自身を認め、応援する必要があります。
「あなたなら、できるよ」
「少しずつ成長しているよ」
「ずっと応援しているよ」
そうやって、自分に対して、常にもうひとりの自分がOKを出せる。
それが、「自分と仲良くなる」ということなのです。
大平信孝
株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役