(※写真はイメージです/PIXTA)

部下は、自信をなくしていることが多いものです。上司から存在を承認されることによって、部下は「上司が気にかけてくれている」「信頼、評価されている」と感じ、自ら考え動くためのモチベーションを手に入れることができます。エグゼクティブコーチの大平信孝氏が著書『部下は動かすな。』(すばる舎)で解説します。

部下のモチベーションが劇的に変わる

■「4つの承認スキル」を使いこなそう

 

承認には「結果承認」「行動承認」「存在承認」「第三者からの承認」という4種類があります。

 

これらをシーンによって使い分けることができるようになれば、部下の意見に同意できないときでも、無駄な対立や感情的なしこりを残さずに、仕事をスムーズに進めることができるようになります。では、ひとつずつ解説していきましょう。

 

①結果承認

 

文字通り、仕事の結果や成果を承認することです。たとえば、「今期は、前期より13%伸びているね」「商談成立おめでとう」といったもので、承認する対象がわかりやすいため、最も簡単にできるはずです。部下が成果を出したら、それがどんなに小さなものでも、積極的に承認するようにしましょう。

 

②行動承認

 

仕事は趣味や遊びではありませんから、結果を出すことをシビアに求められます。

 

そのため、成果が出たときしか部下を承認しないことが多くなってしまいがちです。しかし、経験の少ない部下が、成果・結果を出し続けるのは困難です。さらに、多くの部下は、裁量が少ないため、仕事の成果をコントロールできないことも多いものです。

 

一方で、成果のための行動や努力といった「プロセス」はコントロールできます。

 

このプロセスを承認することが「行動承認」です。

 

たとえば「いつも掃除してくれてありがとう」「ひとりで企画書を作って、商談をまとめられるようになったね」など。行動承認をすることによって、成果を出していない部下でも好ましい行動を増やしていくことができます。

 

③存在承認

 

見落としがちなのが、部下の「存在そのものへの承認」です。

 

部下は成果を出して当たり前と思っていると、部下に対する存在承認を忘れがちになります。この状態が続くと、部下は「自分のことを気にかけてくれない」「自分は信頼、評価されていない」などと思い始め、徐々にモチベーションが落ちてしまいます。

 

存在承認は決して難しいことではありません。

 

・朝、笑顔で挨拶する
・何かしてもらったら「ありがとう」と伝える
・「あなたがいてくれていつも助かるよ」と伝える
・元気がなさそうなら「どうしたの? 大丈夫?」と声をかける
・ちゃんと相手の名前を呼ぶ
・ランチに誘う

 

など、簡単なことでいいのです。

 

部下は、自信をなくしていることが多いものです。上司から存在を承認されることによって、部下は「上司が気にかけてくれている」「信頼、評価されている」と感じ、自ら考え動くためのモチベーションを手に入れることができるのです。

 

④第三者からの承認

 

これは、「✖✖さんが、あなたの仕事ぶりを褒めていたよ」という事実を伝えることです。この「第三者からの承認」を「結果承認」や「行動承認」と併せて使うことで、上司の言動に対する信憑性が高まり、部下のモチベーションをより高めることができます。

 

このように、4つの承認を使い分けることで、部下との関係性やモチベーションが劇的に変わります。

 

次ページ「目的論的アプローチ」で未来思考に

※本連載は、大平信孝氏の書籍『部下は動かすな。』(すばる舎)から一部を抜粋し、再編集したものです。

部下は動かすな。

部下は動かすな。

大平 信孝

すばる舎

「部下が動いてくれない」「部下が一向に成長しない」「怒っても褒めてもうまくいかない」「チームが全然まとまらない」「リーダーとしての自信がない」… このような悩みを抱えるリーダーのあなたは、なんとかして部下・チ…

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