(※写真はイメージです/PIXTA)

現在地、目的地の2つのポイントが明確になったら、そのギャップをどんな手段で、どんなペースで進めていくかを明らかにします。このアクションプランも、最短ルートをさぐるというよりは「その人らしくラクに続くやり方」を見つけていくことがコツです。エグゼクティブコーチの大平信孝氏が著書『部下は動かすな。』(すばる舎)で解説します。

「現在地」と「目的地」をハッキリと認識する

■部下の行動力を引き出す「作戦会議」の3ステップ

 

部下に対して目的論的アプローチで接したいが、いつもの癖で気がつくと「なぜ?」「どうして?」と責めてしまうことがある、という相談を受けることがあります。そこで、ここでは、「目的論的」に接するための3ステップを紹介します。

 

紙を用意して部下に、今モヤモヤしている「テーマ」を書き出してもらいます。

 

たとえば、「新規案件について」「今月の売り上げについて」「後輩育成について」など、気になっているテーマをいくつか書き出します。それができたら、「今、一番気になっているテーマ」をひとつ、部下に選択してもらいます。

 

そして、

 

①「現在地」
②「目的地」
③「アクションプラン」

 

の順番で文字化していきます。

 

■すべては「現在地の把握」から

 

まずは、現在地を確認しましょう。「現在地を確認する」とは、「現在どんなことができていて、何が課題なのか」を把握することです。

 

具体的には、できているところと、できていないところに分ける。もしくは、数値目標に対する達成度合いを確認することです。

 

意外に思うかもしれませんが、「現在地」の把握ができていないケースは多いです。

 

「ゴールにたどり着くことのみに必死で、『現在地』という観点が欠けていました。しっかり認識します」といった感想をいただくことがあります。

 

現在地を把握していなかったり、認識にズレがあったりすると、「行動できない」「ズレた行動をしてしまう」「適切な行動がとれない」といったことが起こります。

 

ですから、部下の「現在地」を確認することがとても重要なのです。

 

この現在地を確認する際のポイントは、「必ず『できているところ』『うまくいっているところ』など、ポジティブな側面の確認から始める」ことです。

 

「できていないところ」「ダメなところ」など、ネガティブな項目の確認から始めると、自分を否定するスパイラルに入ってしまい、クリエイティブな思考ができなくなります。

 

■目的地は「したい論」で考える

 

次に、テーマについての「目的地」を明らかにします。

 

「△△のテーマについて、本当はどうしたい?」と考え、理想の状態を文字化していきます。

 

その際、「すべき論」を「したい論」にシフトさせることが重要です。

 

「こうすべき」という頭の声のボリュームを下げて、「本当はこうしたい」という心の声に耳をすませ、それらを文字化していきます。

 

部下の本音ベースの理想を文字化できれば、そこに行き着きたい、そのゴールイメージを「味わいたい」と行動スイッチも入ります。

 

よりゴールイメージを具体化するためには、「いつまでに」という期日を明確化するのもオススメです。

 

次ページ部下が行動しやすいか、やりやすい方法か

※本連載は、大平信孝氏の書籍『部下は動かすな。』(すばる舎)から一部を抜粋し、再編集したものです。

部下は動かすな。

部下は動かすな。

大平 信孝

すばる舎

「部下が動いてくれない」「部下が一向に成長しない」「怒っても褒めてもうまくいかない」「チームが全然まとまらない」「リーダーとしての自信がない」… このような悩みを抱えるリーダーのあなたは、なんとかして部下・チ…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録