「現在地」と「目的地」をハッキリと認識する
■部下の行動力を引き出す「作戦会議」の3ステップ
部下に対して目的論的アプローチで接したいが、いつもの癖で気がつくと「なぜ?」「どうして?」と責めてしまうことがある、という相談を受けることがあります。そこで、ここでは、「目的論的」に接するための3ステップを紹介します。
紙を用意して部下に、今モヤモヤしている「テーマ」を書き出してもらいます。
たとえば、「新規案件について」「今月の売り上げについて」「後輩育成について」など、気になっているテーマをいくつか書き出します。それができたら、「今、一番気になっているテーマ」をひとつ、部下に選択してもらいます。
そして、
①「現在地」
②「目的地」
③「アクションプラン」
の順番で文字化していきます。
■すべては「現在地の把握」から
まずは、現在地を確認しましょう。「現在地を確認する」とは、「現在どんなことができていて、何が課題なのか」を把握することです。
具体的には、できているところと、できていないところに分ける。もしくは、数値目標に対する達成度合いを確認することです。
意外に思うかもしれませんが、「現在地」の把握ができていないケースは多いです。
「ゴールにたどり着くことのみに必死で、『現在地』という観点が欠けていました。しっかり認識します」といった感想をいただくことがあります。
現在地を把握していなかったり、認識にズレがあったりすると、「行動できない」「ズレた行動をしてしまう」「適切な行動がとれない」といったことが起こります。
ですから、部下の「現在地」を確認することがとても重要なのです。
この現在地を確認する際のポイントは、「必ず『できているところ』『うまくいっているところ』など、ポジティブな側面の確認から始める」ことです。
「できていないところ」「ダメなところ」など、ネガティブな項目の確認から始めると、自分を否定するスパイラルに入ってしまい、クリエイティブな思考ができなくなります。
■目的地は「したい論」で考える
次に、テーマについての「目的地」を明らかにします。
「△△のテーマについて、本当はどうしたい?」と考え、理想の状態を文字化していきます。
その際、「すべき論」を「したい論」にシフトさせることが重要です。
「こうすべき」という頭の声のボリュームを下げて、「本当はこうしたい」という心の声に耳をすませ、それらを文字化していきます。
部下の本音ベースの理想を文字化できれば、そこに行き着きたい、そのゴールイメージを「味わいたい」と行動スイッチも入ります。
よりゴールイメージを具体化するためには、「いつまでに」という期日を明確化するのもオススメです。