店舗を構え、直販主体の事業に変身
自社ブランド作りも、「札幌圏豆くらすたあ」の取り組みも、手応えは十分に感じていました。自社ブランド確立に向けた会社の取り組みとしては、商品ラインナップが増えてきたところで、社内に自社ブランド商品の直販部門を設置し、本社工場の売店展開にも力を入れることにしました。自社ブランドを売っていく以上、そのための組織と拠点を充実させる必要があったためです。
また、タマゴボーロと豆菓子だけでなく、かりんとうも取り入れた自社ブランドとして直売することに決めました。かりんとうのコンセプトも、北海道の小麦を使った地産地消の菓子です。方針を固めると、かりんとうを製造していた浜塚製菓の工場にも自社ブランドパッケージを包装するラインを作り、工場と隣接する直売店も作りました。
予想していた通り、お客さんの声は大事ですし、勉強になります。「美味しい」と言って買ってくれるお客さんの反応や数を見ながら、「これならいける」「自社ブランドを持って、直販でファンを増やしていける」と確信しましたし、その確信があったからこそ、私は自社ブランド展開を一気に推進しようと決めることができました。
まずは創作豆の生産体制の強化です。創作豆は自社ブランドのパッケージで包装しますので、包装室と包装機を導入しました。ちなみに、この包装室は創作豆菓子が事業として伸びていく過程で、複数回にわたって拡張していくことになります。
また、お客さんの反応を見ることによって売れ筋商品がだいたい把握できましたので、それらの商品をさらに伸ばすために、大量かつ効率良く生産するための設備を導入します。具体的には、4種の焙煎設備を揃えて、味、風味、食感のオリジナリティを追求することにしました。
並行して、主な原材料の一つである北海道産の大豆を柔らかくするために、札幌市の経済局などと連携してソフト化の研究に加わります。豆菓子の質は、素材と加工技術の掛け算です。そう考えて、メーカーである我々も率先して素材開発に携わろうと考えたのが、研究をスタートした理由でした。
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