(※写真はイメージです/PIXTA)

マーケティングオートメーションとは、「マーケティング活動の自動化・効率化」や、効率化を実現するためのツールのことを指します。広く一般の企業様への導入も進んできたといわれますが、いったい何ができるのでしょうか。コンサルタントの井口嘉則氏が著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

マーケティングオートメーションを組み込む

(1)マーケティングオートメーションとは

 

マーケティングオートメーション(以下MA)は、獲得した見込み客の情報を一元管理して、メール、SNS、ウェブサイト等のマーケティング活動をソフトウェアで自動化、可視化するツールのことをいいます。日本では2014年頃から始まりました。

 

(2)SFA、CRMとの違い

 

MAとSFA(セールス・フォース・オートメーション) やCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)と以下のような違いがあります。

 

・MA……見込み客(リード)を育成、選別するプロセス
・SFA……商談開始から購買・成約するまでのプロセス
・CRM……既存顧客との関係維持・向上を行うプロセス

 

業務の流れで言うと、MA→SFA→CRMとなります。

 

(3)MAでできること

 

①見込み顧客情報の一元管理

セミナー客の名刺、資料請求を行った個人や企業、面談して交換した名刺等を一つのデータベースで管理します。

 

②メールによる見込み顧客との継続的なコミュニケーション

HTMLメールで開封確認を行い、開封状況等に応じてその後の送付メールを変えたり、ステップメール等で見込み客を育成したりしていくことができます。

 

③現時点で購入・サービスを検討している顧客の抽出

見込み客ごとにWebサイト上での行動履歴を把握し、条件に合致する顧客を抽出してアプローチできます。

 

ソフトウェアによっては、来訪した顧客企業の情報を入手して、電話等のコンタクト先が取得できます。

 

(4)MAのプロセス

 

MAをDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)に活用したプロセスは、以下となります。

 

①顧客のコンタクト先の入手(会社名、個人名、メールアドレス等)→②コンタクトメールの配信→③到達・開封・クリック・コンバージョン(CV)数・率の確認→④2回目以降の育成・ステップメール配信→③と同様の分析→⑤SFA(営業担当者によるコンタクト等)のプロセスへ

 

(5)ペルソナ設計とカスタマージャーニー策定

 

MAを活用してコンテンツマーケティングのプロセスを組み立てる際に重要になるのが、ターゲット顧客像であるペルソナ設計と、そのペルソナが辿るカスタマージャーニー策定です。

 

ペルソナは、B2Cであればエンドユーザー像ですし、B2Bであれば、顧客窓口の担当者像となります。業種・業態や企業規模、関心領域等によっていろいろなペルソナ設定が必要です。

 

カスタマージャーニーは、そのペルソナが自社の商品・サービスに気づくところから、購買・成約に至るまでのプロセスを描き、それぞれで必要となるコミュニケーション内容を設計します。

 

(6)MAの効果

 

MAには、①マーケティング業務の効率化、②商談の質と量の向上、③営業生産性向上の効果があると言われています。

 

(7)日本で主力のマーケティングオートメーションツール

 

Salesforce Marketing Cloud, b → dash, Marketo Engage, AutoLine, SATORI, Pardot等があります。

 

ポイント
MA活用でより効率的効果的なマーケティング活動を

 

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※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

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