(※写真はイメージです/PIXTA)

WEBマーケティングが企業のマーケティングにおいて大きな位置を占めてきている状況の中、「オウンドメディア」が注目されています。オウンドメディアとは何か、なぜ注目されているのでしょうか。コンサルタントの井口嘉則氏が著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

オウンドメディアを充実させる

(1)オウンドメディアとは?

 

メディア(媒体)には3種類のメディア(トリプルメディア)あると言われています。

 

①「ペイドメディア」(Paid Media:通常のお金を払って広告を載せる媒体)
②「アーンドメディア」 (Earned Media:顧客やジャーナリスト等が作る企業が購入や所有ができない媒体)
③自社のウェブサイト・ブログ等のオウンドメディア(OwnedMedia:自社で所有しているメディア)

 

オウンドメディアには、自社ウェブサイトやブログ、自社発行の広報誌やパンフレット、カタログ等の企業や組織自らが所有し、消費者に向けて発信する媒体があります。インターネットとそれに関連した技術革新により、企業はユーザーと直接つながるオウンドメディアを持てるようになりました。

 

(2)オウンドメディアが注目される背景

 

①アウトバウンドの広告効果の低下
前項のコンテンツマーケティングで触れたように、インターネットとスマホの普及により、ユーザーは自由に情報を得られるようになり、従来型のアウトバウンド(企業から消費者へ)の広告効果が薄れてきました。

 

②グーグルの検索結果表示方式の変化
インターネット普及初期には、検索結果の上位に表示されることを狙って、SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)対策だけのための低品質コンテンツ表示等で、広告効果が低下することとなり、グーグルに対する評価が下がりました。

 

そのためグーグルは、検索結果の表示方式をコンテンツ重視に変えました。それにより、充実したコンテンツ提供が重要となり、オウンドメディアが注目されるようになりました。

 

③ストック型コンテンツ重視へ
SNS等のソーシャルメディアによる情報発信は、かなり一般化してきましたが、フロー型といって、タイムラインに投稿された記事が時間経過で表示されなくなるため、コンテンツが資産として蓄積しにくい面があります。

 

一方、オウンドメディアは、企業のWebサイトなどで蓄積されるストック型であるため、過去のコンテンツもアーカイブとして保存でき、ユーザーが必要に応じて参照することができます。

 

④デバイスの変化
先にみたように、PC普及率よりもスマホ普及率の方が高まり、ユーザーは、通勤などの移動時間中に暇つぶしにコンテンツを読んだり、楽しんだりするようになってきました。

 

ある調査によれば、スマホ利用時間の約40%以上がコンテンツ閲覧に時間を消費しているともいわれています。こうしたユーザーに対してコンテンツ形式で情報提供する手法が有効になってきています。

 

(3)オウンドメディアに必要な一体性、一貫性

 

このようにオウンドメディアが重要視されるようになってきましたが、そうした中で大切なのが、ユーザーに対してどのような情報をどのような形で提供するかということです。ユーザーが欲しい情報がどこにあるのか見つけやすく、かつ評価や購買に繋がるような情報提供が必要になっています。

 

ポイント
重要になったオウンドメディアの整備とコントロール

 

次ページコンテンツマネジメントシステムを整備する

※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

経営環境が激変する最悪シナリオを乗り切る「事業計画書」の立て方・作り方とは? 「ビジョン・戦略立案フレームワーク」で何を/どの段階で行うかがわかる“これからの”実践教科書。 コロナ禍にあっても、事業計画の立…

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