
住み替えをした7割の高齢者が「生活の満足度が向上した」
一般社団法人ケアリングデザインが50歳以上の自立したシニア層を対象に実施した『自立シニアの住み替え理由に関する調査』によると、自立=健康な高齢者の住み替え理由として最も多かったのが「交通や買い物の利便性向上で38.7%。多くのシニアが、移動のしやすさや近隣の買い物環境を重視して住み替えを決めています。特に地方から都市部への住み替えが多く、公共交通機関やスーパー、コンビニなどが近いエリアを選ぶ傾向が見られました。
続いて「住宅性能の向上」で33.3%。シニア世代は、耐震性や断熱性、バリアフリーなどの住宅性能を改善するために住み替えを行っています。将来的な介護や安全性を考慮し、平屋やエレベーター付きのマンションなどが人気です。
「自分らしい暮らしややりたいことの実現」は24.0%。、 「趣味に適した環境」「自然の多い地域」「ペットが飼える家」など、自分らしいライフスタイルを追求するために住み替えを選択する人も少なくありません。「公共施設や医療機関の充実」は22.7%。医療機関や行政サービスが充実した地域を選ぶ傾向が強く、特に病院へのアクセスが住み替えを考える大きな要因となっています。
そして7割の自立シニアが住み替えによって「生活の満足度が向上した」と回答しています。その理由として「移動のストレスが減った」「日常生活が便利になった」「周囲の環境が安全で安心感がある」「コミュニティ活動に参加しやすくなった」といった声があがりましたが、一方で「慣れるまでに時間がかかる」「家族との距離が遠くなり孤独を感じる」といったネガティブな声も。
三浦和子さん(仮名・75歳)も、住み替えを行ったひとり。
――平均寿命から考えたら、あと余命は10年ほど。相続とか、きちんとしておかないと、と考えるようになりました。よく少ないお金でも争いになると聞くので、使い切ることが一番の相続対策だなと思って。天国にはお金はもっていけませんし