収益物件の買主の投資家は首都圏在住
▶「茨城県在住の農家さん」の「地元の相続物件」売却サポート例
茨城県在住Bさん(70代)職業・農業
物件概要/物件所在地:茨城県日立市/物件スペック:平成築、木造、1K×10世帯/購入時の金額・利回り:不明/売却時の金額・利回り:3000万円・15%/所有期間:20年/売却年:2020年
茨城県在住のBさんはご高齢の方で、ご主人から引き継いだアパート経営と農業をされています。年齢的にアパート経営も農業も辛くなったという理由から売却を考えたそうです。
当初、地元の不動産会社に依頼したのですが、査定金額は2500万円。しかし、なかなか売れなかったため当社に相談が来ました。
私が調べたところ3000万円の査定が出たので、それを告げたところ、「3000万円で売れるのであれば、ぜひお願いしたい」とお話をいただきました。
そこで指値されることを留意して、3180万円で市場に出したところ、希望通り3000万円で売却できました。売却時の利回りは15%です。
入居も良い状況だったので、3000万円は妥当な価格です。しかし、地元の管理会社からは「利回り20%程度ないと売れない」と言われており、実際に売れていませんでした。
なぜ、高利回りにもかかわらず売れなかったのか……。それは前にも解説した通り、地元の管理会社が売り方を知らなかったのではないでしょうか。
なお、この不動産会社は「売りに出している」と言っていたそうですが、レインズを調べても売情報が出てこなかったので、表には出していないと思います。
私が相談を受けてから売りに出して買い手が見つかるまでの期間は、わずか1週間ほどでした。もし最初から当社にご相談いただければ、手残り3000万円になるよう諸費用、売却のコストを加えて3100万円程度で狙っていたはずです。
この時は、それまでまったく動きがなかったことから、売主のBさんが「3000万円であれば、すぐにでも売りたい」という希望があり、早急に売却することを優先しました。
結果として、2500万円でなければ売れないと思っていたのが3000万円で売れたわけですから、売主のAさんは大変喜んでいました。
さて、この物件を購入したのは、東京に在住している30代のサラリーマン投資家さんです。
3棟目の購入で、もともと地方ではなくて首都圏での物件購入を希望されていましたが、地方でも安定して入居が見込めるだろうと購入を決断されました。
実際、この物件のレントロールを確認したところ、ずっと安定して稼働しているため、賃貸需要は十分と判断しました。
融資は日本政策金融公庫で、当時、35歳までを対象とした若者、女性、シニア起業家支援資金に該当して15年ローンを引くことができました。
この案件を通して感じたのは、特に地方に住んでいる人は「地元の不動産会社だから相場などを詳しく知っていて、相談すべき相手だ」と思い込んでいる点です。
しかし、収益物件に関して言えば、買主となる投資家さんの多くは首都圏在住です。
それを地元の不動産会社に限定してしまうと、売却の可能性を狭めてしまいます。
ですから、地元の不動産会社と東京の不動産会社、両方に売却依頼するのがいいと思います。
新川 忠義
株式会社クリスティ代表取締役
富士企画株式会社代表取締役
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