(※写真はイメージです/PIXTA)

電通によれば、2019年日本のインターネット広告費は、2.1兆円で、前年比120%と成長し、ついに、4マス媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)で広告宣伝費の一番多いテレビメディア広告費1.8兆円を抜き、最大の広告媒体となりました。どのように活用すべきでしょうか。コンサルタントの井口嘉則氏が著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

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4マス媒体を超えたインターネット広告を活用

1)インターネット広告市場

大手広告代理店の電通によれば、2019年日本のインターネット広告費は、2.1兆円で、前年比120%と成長し、ついに、4マス媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)で広告宣伝費の一番多いテレビメディア広告費1.8兆円を抜き、最大の広告媒体となりました。

 

2020年度はコロナ禍で微減したものの、その後はV字回復し2024年度に3兆円程度に拡大し、4マス媒体+衛星メディアの合計をも上回ると予測されています(民放連研究所)。

 

一方、世界の市場規模は、その10倍以上で、今後の成長率も年率20%近い成長を続けていくと予測されています。ですから、今後広告宣伝ではインターネット経由が主流となってきます。

 

(2)インターネット広告のメリット

インターネット広告のメリットは、①ターゲットを絞った広告が行えること、②広告効果が把握でき費用対効果で捉えることができること、③小額からでも始められること、④やり方によっては顧客とコミュニケーションが取れるということがあります。

 

(3)インターネット広告効果

一般に広告の効果は、(ア)接触効果、(イ)心理効果、(ウ)売上効果があると言われていますが、インターネット広告の効果も(ア)(イ)(ウ)のすべてについて効果が認められています。通常インターネット広告の効果は以下の3つの指標で測ります。

 

①インプレッション(Imp)

広告が表示された回数を示す値です。社名や商品・サービスの認知度を高めるには、まずこのインプレッション数を上げる必要があります。

 

②ユニークユーザー数(UU)

Webサイトを訪問したユーザー数のことをユニークユーザー数といいます。

 

③クリック率(CTR)

表示された広告がユーザーによってクリックされた割合を表す指標です。クリック率は、クリック数÷インプレッション(Imp)×100%で算出されます。サイトへの誘導をトラフィック効果といいますが、これを高めるためにはクリック率を高める必要があります。

 

④コンバージョン率(CVR)

広告を見た結果、購買や入会に繋がった率のことをいいます。

 

コンバージョン率は、CV数÷広告経由の総クリック数×100%で算出されます。ここでCV数とは購買や資料請求等コンバージョンした数で、広告経由の総クリック数は、ユーザーが広告経由でそのサイトを訪問した回数のことをいいます。

 

⑤CPA(Cost Per Acquisition)

1人のユーザーが新規会員登録や見積請求、商品購入などをするまでに要した広告費用のことをいいます。

 

これらにより、掛けた広告費と得られた売上や利益、入会数等の成果を対比することで広告効果を測定し、よりコストパフォーマンスの高い広告手法や広告媒体に変える等以後のマーケティング活動に役立てられます。

 

広告の効果測定では、特にCV数、CVR、CPAが重視されます。

 

ポイント
最大の広告媒体となったインターネット広告を活用して、マーケティング手法をブラッシュアップする

 

次ページインターネット広告の種類と特徴

※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

経営環境が激変する最悪シナリオを乗り切る「事業計画書」の立て方・作り方とは? 「ビジョン・戦略立案フレームワーク」で何を/どの段階で行うかがわかる“これからの”実践教科書。 コロナ禍にあっても、事業計画の立…

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