ビジネスでは原材料を「踏み台」に人間の賢さを載せる
以上をまとめると、商品やゴールドへの投資を考えると仕入れ値と時価に左右される一方で、ビジネスを考えるとコストは販売価格にパスすればよいので、仕入れ値には左右されません
(→もちろん、個別企業や景気後退期ではそううまく行かない場合もありますが、経済全体で見れば星の数ほどの企業が今日も存在していることが、このことが事実であることを示しています)。
結果として、企業への投資にあたり、株価は振れますが、企業は多くの期において株主に帰属する利益や配当を生み出していきます。
米国リートも同じです。ビジネスですから、投資を回収できるように賃料を設定しますし、物件をリノベートしたり、IT投資を行うことで付加価値を上乗せしますし、物価が上昇する分についても賃料に上乗せします。
そのうえで、利益や配当が(毎年同じ水準ではなく)増える理由は、売り上げが増えたり、株主の取り分を増やしたりすることもありますが、概して、「人間が以前よりも賢くなる」ことで、以前と同じインプットで以前よりも大きなアウトプットを生み出したり、以前よりも少ないインプットで以前と同じだけのアウトプットを出すことで、生産性が拡大していくことによります。
人間が持つ知識のユニバースが常に拡大していく限り、株主に帰属する企業の利益は増えていくことが期待されます。
確かに、スタグフレーションになると、売り上げが伸びず、しかも将来にどの程度の価格で仕入れられるかわからず、いくらの価格付けをすればわからなくなるため、企業活動は厳しくなりますが、そうした機会こそ企業にとってみると、生産性を高めるための成長の機会です。
重見 吉徳
フィデリティ投信株式会社
マクロストラテジスト
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