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地域ナンバーワン信金との連携
沖縄のように連携協定という形こそとっていないが、同友会が重視する人材教育やセミナーの共同開催などで、地域金融機関と関係を深めている同友会もある。その一つが北海道同友会とかち支部である。米木稔とかち支部事務局長によると「十勝は北海道の中でも『十勝モンロー主義』と呼ばれるように、独特の気風の地域です」という。他地域と異なり、この地域は民間人が主体となって開拓が進められたことから、官に依存するところが相対的に少なく、自主独立の気概を持つ人が多いと昔から言われているのだとか。
そうした気風と合致したのだろう、人口35万余りにすぎないこの地域の同友会会員は900人近くに達する。これは岡山県や長野県の同友会よりも多い。中心の帯広市は人口16万8000人。全企業数の19・38%が会員企業で、この組織率は同規模の都市では断トツである。いずれにしろとかち支部は、北海道庁十勝総合振興局管内では、相当な存在感を持っている経営者団体だと言って間違いない。
一方、ここ十勝では抜群の存在感を誇る金融機関がある。帯広信用金庫である。預金高は7027億円と道内信金中3位。経営は堅実で自己資本比率は高く、また帝国データバンク札幌支店が行った2017年の道内メインバンク調査では、北洋銀行、北海道銀行に次いで、シェア3.92%で3位に食い込んでいる。
帯広信金の支店網は帯広市内を中心に十勝全域に広がるが、隣接する釧路はもちろん、札幌にさえも出店していない。つまりメインバンクとなっているのは十勝管内の企業がほとんどだということであり、その点でもこの地域における帯広信金の存在感の大きさがおのずと知れる。
しかも帯広信金はその支店網やメインバンクの多さでも推察できるように、基本的に地元密着型の経営を貫いてきた。事実、地域経済振興部長を長年兼務してきた秋元和夫同信金常務は「私どもは、金融庁が地域密着型に切り替えるようにとの方針を出す以前から、地域密着型でやってきています」と明言する。
ではどうして、地域金融機関との連携を訴えてきた同友会とかち支部と、地域密着型経営を推進してきた帯広信金との連携がもう少し早くに立ち上がらなかったのか。秋元氏は「ひとつは同友会側が特定の金融機関と特別の関係を結ぶことを、従来、回避する傾向があったように思えます」と述べた後、こう付け加える。
「だからと言って、私どもと同友会とが疎遠だったわけではありません。私どもの融資先が同友会の会員であることは珍しいことではありませんし、私どもが東京都内で主催した十勝の物産商談会などには同友会の会員企業さんも多く出展されています。十勝地区では農協さんの中にも同友会会員さんがおられますが、そうした農協さんも同様に出展されます」
実のところ日本銀行帯広事務所長を務めたことのある秋元氏は、帯広信金に移ってからもとかち支部内の地区会に呼ばれて何度も講演したことがあるのだそうだ。また米木とかち支部事務局長によれば「以前から、同友会の勉強会などに帯広信金の方が参加されていたと聞いています」という。あえて連携とは銘打ってはいないが、いろいろな形で実態的な連携が行われてきたということだろう。
そうした積み重ねがあったうえで、地域金融機関としての原点に返ろうという帯広信金の経営姿勢の変化などもあり、18年7月に合同で新入社員研修会を開き、11月には両者の共催による金融セミナーを開催するという連携の動きが強まってきたのである。ちなみに合同新入社員研修は、入社後のフォローアップ研修との位置づけで、帯広信金から26人、同友会側から11社18人が参加し、いずれの参加者からも好評だったことから、今後とも継続的に行われる予定である。
米木事務局長は、「全国で金融連携の動きが広がっているが、協定はできても必ずしも実効性が上がっていなかったり、形だけにとどまっていたりするものもあると聞きます。私どものようなあり方もあっていいと思っています」と自信ありげに語った。
清丸 惠三郎
ジャーナリスト
出版・編集プロデューサー
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