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資金繰り経営を実現するなら「管理会計」は必須
会計は大きく2つに分けられる。1つは財務会計、もう1つは管理会計。
財務会計は、外向けの会計といって良いだろう。例えば、金融機関に融資を申し込む際に提出したり、納税のために行う会計は財務会計に含む。損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書などの財務諸表も、財務会計のために作るもの。法律(会社法とか金融商品取引法とか)で決められている会計基準なども、基本的には財務会計のためにあり、財務諸表もこの基準に則って作成する。会計をする期間、期限、財務諸表などの提出期限も決まっている。
一方の管理会計は、内向けの会計。内とは社内であり、グループ企業の場合はグループ内のこと。管理会計は誰かに見せるものではないため、資料作りなどに関するルールはない。提出するものではないので期限もない。さらに言えば、ルール的には、管理会計は行わなくてもいい。
ただ、資金繰り経営を実現するなら、管理会計は必須。
なぜなら、経営者は会社のリスクをお金の面から把握する立場にあるため、また、その責任を負っているから。管理会計を行えば、予算、粗利益、人件費、借入金などを細かく把握できるようになる。その結果、会社のお金の事情を正確に理解できるようになる。
では、ここで質問。
「前月の固定費はいくらでしたか?」
「いくらだったかなあ?」と言う経営者は、その時点で管理できていない。「全然分からない」と言う人、答えた数字と実態が全然違う人、「税理士に聞かないと分からない」と言う人は、知らない間に倒産に向かっていると思ったほうがいいと思う。どんぶり勘定で成り立つほど経営は甘くない。
ちなみに、私は月次を確認しているため、正確に答えられる。私がサポートしている経営者の多くも、かなり細かく固定費を把握している。そういう社長たちの会社はそろって資金繰りが安定しているし、業績もいい。そういう状態を作るのが経営者の仕事。
経営者は数字に詳しく、数字に明るく、数字にシビアでなければならない。