(※写真はイメージです/PIXTA)

会社が潰れる本当の原因は、赤字や債務でなく「資金不足」です。資金不足に陥らないためには、助成金や補助金、借金などの様々な資金繰り手段はもちろんのこと、節税などによって手元のキャッシュを減らさない工夫も欠かせません。そこで本稿では、資金繰り専門税理士の菅原由一氏が「ETCカード」「社用車の支払方法」の一工夫を解説します。

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    「割引率の高いETCカード」で現金の出費をカット

    ■運送業界ではよく知られている「テクニック」だが…

    「営業であちこち走り回っている」

    「出張先でレンタカーを使うことが多い」

     

    そんな場合は、協同組合などが発行するETCカードに切り替えよう。

     

    ETCカードは、加入者に割引特典がつく。簡単に言えば、組合に加入している企業の団体割引のようなもの。どんなサービスも、常連さんやヘビーユーザーには割引や特典があるもの。高速道路の利用料も同じ。

     

    このサービスは、運送業界ではよく知られていて、利用している会社も多い。

     

    車と直接関わっていない業界ではあまり知られていないが、小売りやメーカーや飲食といった業界でも、営業や出張などで車を使う機会が多い会社もある。

     

    加入条件や割引率は協同組合によって異なるが、利用額が増えるほど割引率が大きくなるのが一般的。

     

    例えば、月1万円以内の利用で10%割引、1万円超で3万円以内なら20%割引、3万円超なら30%割引になるようなパターン。

     

    ■高速代「月2万円」程度の会社なら「協同組合東京ビジネスリンク」がお得

    協同組合は加入にあたって出資金が掛かり、協同組合によって割引の対象額も変わるが、たくさんある協同組合のなかで私がオススメするのは「協同組合東京ビジネスリンク」。ここは高速代を月2万円くらい払っている会社であれば、出資金分を引いてもプラスになることが多い。

     

    「うちの会社は車をよく使うよなあ」

    「毎月のETCカードの請求額が大きい…」

     

    そんな場合は、まずETCカードを取り扱っている協同組合を検索してみよう。

    固定資産のベストな支払方法…「社用車」を持つ場合

    ■資金繰り的には「ローン」か「リース」の二択だが…

    社用車のような固定資産を持つ場合、支払方法は3つある。一括払いで買う、ローンを組んで買う、リース契約で借りる。

     

    資金繰りの観点から言うと、一括払いの購入は避けたい。理由は、購入費の分だけ一時的に手持ちの現金が減るため。車は、普通自動車で6年、軽自動車で4年の減価償却ができるが、経費は早く処理したい。資金繰りを考えると、ローンかリースという選択になる。

     

    ローンとリースは金利が掛かるが、負担はそんなに大きくない。

     

    ローンとリースの違いは「所有者」。ローンは、ローンを返済すると会社の所有になる。リースは借りているだけなので、終始、車はリース会社が所有している。この点を踏まえると、リースがいい。

     

    資金繰りで重要なのは、できるだけ現金以外の資産を持たないこと。車という固定資産が増えるより、リースをサービスとして利用するほうが良い。

     

    ■「会社の借入枠」を減らさないためにもリース契約がオススメ

    また、ローンもリースも月払いなのだが、ローンは借金の一種、リースはリース料で処理するという違いがある。

     

    借金することは悪くないが、会社が借りられる借金の総額は決まっているので、ローンを抱えることによって借入枠が減る。

     

    例えば、5000万円まで借りられる会社が、500万円のローンを抱えることにより、残りの借りられる金額は4500万円になる。

     

    一方のリースは借金ではないため、リース契約で車を使っても5000万円まで借りられるという点に影響はない。その点から考えると、リースが良い。

     

    車に限らず、設備なども同じ。固定資産になるもので、購入、ローン、リースの選択肢があるなら、まずはリースから検討してみよう。

     

     

    菅原 由一

    SMGグループ CEO

    SMG菅原経営株式会社 代表取締役

    SMG税理士事務所 代表税理士

     

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    ※本連載は、菅原由一氏の著書『激レア 資金繰りテクニック50』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    激レア 資金繰りテクニック50

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    菅原 由一

    幻冬舎メディアコンサルティング

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