会社が倒産に至るリスクは想像以上に高いということをご存じでしょうか。巷には「企業の寿命30年説」という言葉があり、確かに創業30年以上の会社もたくさん存在しますが、実際はそれらの何十倍を超える会社が廃業に追い込まれているのです。そもそも企業は何年間存続できるものなのか。潰れる会社・潰れない会社の違いとは何か。税理士の筆者が解説します。

約90%の会社が「創業10年以内」に廃業

会社の経営者なら、できるだけ事業を成長させて、長く存続させたいと思うはず。では、会社の寿命はどれくらいだろうか。この答えは、ニュースや経営者同士の世間話のなかで、なんとなく耳にしたことがあるかもしれない。

 

一説によると起業して約3年で半分の会社が存続できなくなり、10年後に生き残っている割合は約10%。創業30年を迎える会社はたった0.02%。なんと30年以内に99.98%の会社が廃業に追い込まれている。

 

このような話を耳にすると、「10年続いている会社ってたくさんあるじゃん。30年続いている会社もたくさんあるのにこのデータは噓なんじゃないか?」と思われる人が多いと思う。

 

確かに、「企業の寿命30年説」という言葉もある。

 

本当の実態を示したデータがないというのが事実。ただこれだけは言える。確かに10年20年30年続いている会社はたくさんある。ただそれらの会社よりも何十倍もの会社が私たちの知らないところで廃業に追い込まれている。廃業に追い込まれているから私たちがその存在を知らなかっただけ。

 

存続している会社でも、資金繰りに苦しまずに経営をできている会社がどれくらいかというと、おそらく1割もないだろう。そう考えると、健康的に存続している会社はわずかで、延命治療で細々と生き延びている会社が多いと言える。

 

ちなみに、2020年版の「中小企業白書」国内企業の廃業率は3〜4%くらい。仮に古い企業から順番に毎年3〜4%のペースで新陳代謝していくとすると、25年から30年ちょっとの間に企業はすべて入れ替わる計算になる。

 

そう考えると、いつ自分の会社に倒産の危機が訪れてもおかしくないよね。

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