(※写真はイメージです/PIXTA)

経営が難しいことは言うまでもありませんが、簡単にできることもあります。その一つが、経営の考え方を「資金繰り経営」に変えることです。ここでは資金繰り経営をレベルアップさせるポイントとして、「管理会計」について見ていきましょう。経営者は「数字」に詳しく、明るく、シビアでなくてはなりません。会社を存続させるために、経営者は管理会計のどこに注目すれば良いのでしょうか? 資金繰り専門税理士の菅原由一氏が解説します。

あなたにオススメのセミナー

    業績を伸ばすためには「部門別会計」も重要

    管理会計に取り組むなら、さらにもう一歩踏み込んで部門別に会計を管理することも検討してほしい。

     

    部門別会計は、その名のとおり、部門ごとの損益を把握するもの。

     

    まずは、どの部門が、どれくらいのお金を稼ぎ、どれくらいのお金を使っているかを管理する。そのうえで、部門ごとの目標を明確にして、成果や成績を評価しやすくする。

     

    会社全体では黒字でも、部門別で見ると必ずと言っていいほど赤字部門がある。

     

    管理会計で全体像をつかんでも、部門別会計の視点がないと詳細までは管理できない。

     

    赤字部門を放置することによって経営が傾いたり、場合によって会社の致命傷になる可能性もある。戦略や事情によって赤字が必ずしも悪いとは断言できないが、経営者は現状の成果などを確認する必要があるだろうし、状況改善に向けて的確な指示を出すことも求められる。

     

    稼げるようにするにはどうするか。どんな仕組みが必要か。会社はなにに投資をし、なにを削減するのか。そういった施策が部門別会計によって見えてくる。

     

    管理会計をする目的は節税などではなく業績を伸ばすこと。業績は数字として表れるため、経営者は数字を細かく見る必要があるし、管理する必要がある。

     

    一つ注意したいのは、管理会計は各社独自のルールや評価軸で見るということ。財務会計と違い、まとめ方のルールもなく、注目するポイントもバラバラ。

     

    つまり、管理会計(部門別会計を含む)そのものが正しく機能しているかどうかが分かりにくく、客観的な視点で見ることが難しい。独自のルールで運用することによって、重要な数字や変化を見落としてしまうこともある。

     

    そのため、より効果的に取り組むなら、税理士、公認会計士、経営コンサルタントなどにも見てもらうのが良いだろう。

     

    私は税理士であり、業績アップのためのサポートも税理士の仕事の一部だと思っている。

     

    税務書類の作成だけ行う顧問税理士もいるが、経営改善の力になれる税理士もいる。そのようなスキルと実績を持つ税理士を見つけることが、経営改善に結びつくケースも多い。私が顧問を務めている会社がまさしくその例と言える。

    次ページ経営者が把握すべき「もう一つの数字」

    ※本連載は、菅原由一氏の著書『激レア 資金繰りテクニック50』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    激レア 資金繰りテクニック50

    激レア 資金繰りテクニック50

    菅原 由一

    幻冬舎メディアコンサルティング

    受講者数は延べ7000人! 資金繰り専門税理士のセミナー講義内容をついに書籍化。 会社の生存力を高めるには、負債がないことや黒字経営であることよりも、手元に資金がいくらあるかということが重要です。 たとえ黒字経…

    人気記事ランキング

    • デイリー
    • 週間
    • 月間

    メルマガ会員登録者の
    ご案内

    メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

    メルマガ登録