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「資金繰り改善のできる税理士」とは?
■補助金採択のノウハウや実績があるなら、ズバリ「いい税理士」
資金繰り改善のできる税理士は、どんな税理士だろうか。
例えば、補助金採択のノウハウや実績を持つ税理士はいい税理士と言える。補助金の活用は資金繰り改善の大きな武器になるし、この分野に知見がある税理士なら、「資金繰りを楽にしたい」というニーズを満たすことができる。
重要なのは、税理士全員が補助金に詳しいわけではないということ。補助金の手続きは専門性が高いため、過去に補助金採択の申請や手続きをした経験がない税理士には手出しできない。「頼みやすいから」「近くにいるから」という理由で顧問税理士に頼んでも、その顧問税理士がたまたま補助金に詳しい人でない限り、補助金は採択できないだろう。
「経営者仲間からこういう補助金があると聞いたんだけど、うちの会社も申請できるだろうか」
そう聞けば、顧問税理士はおそらく「調べてみます」というだろう。士業のプライドがある税理士は「できません」「分かりません」とは言い出せないもの。だから「調べてみます」と答える。その答えを信じて、経営者は採択される可能性がない補助金を待ち続ける。そうこうしているうちに、魅力ある補助金は別の誰かの手に渡ってしまう。
補助金は申請ありき。申請しなければお金は出ないし、待っていて勝手にお金が降ってくるような仕組みではない。
また、補助金は申請しても通らないこともある。補助金は多数の種類があり、いつ募集されるか分からず、急に終わることもある。
その点で、補助金は戦いである。奪い合いと言ってもいい状況の中で、ノウハウや実績がない税理士に期待するのは実に無駄だ。時間の無駄になるだけでなく、ノウハウがある税理士に依頼し、補助金を得られていたかもしれない機会も無駄になる。まずは、このサイクルから抜け出そう。
■「相続関連の税務相談」も「税理士の実績・ノウハウ」が成否を左右
余談だが、相続にまつわる税務の相談もこのパターンで失敗することが多い。
相続の税務とは、事業承継時に発生する税金の手続きや、経営者が持つ株やその他資産の相続で発生する相続税節税の相談など。これも「顧問税理士に任せておけば大丈夫だろう」と考える経営者が多いが、正しく処理できる税理士は少ない。
日本には約8万人の税理士がいる。一方、1年間で発生する相続案件は11.5万件しかない。単純計算すると、税理士1人あたり1年に1.4件しか相続を扱っていない。しかも、相続相談は相続専門の税理士に依頼が偏ることが多いため、実態として、1年に1件も相続を扱わない税理士はたくさんいる。過去に1件も扱ったことがない税理士もいる。
つまり、税理士全般として相続に詳しい人は少なく、経験やノウハウが身に付きにくいということ。そういう人に相続の税務を頼んでも、うまくいく可能性は低い。基本的な手続きはできるだろうけど、多額の相続税が発生する。「税理士は税務全般に詳しいはず」と思い込んでしまうせいで、節税できず、後継者の相続税負担が大きくなり、円滑な事業承継ができなくなってしまう。