税理士が語る「いい税理士」の決定的特徴…「資金繰り改善」編 (※写真はイメージです/PIXTA)

「税理士は税務全般に詳しいはず」「税金のことは顧問税理士に任せておけば大丈夫だろう」と思い込んではいけません。「税務」と言っても幅広く、日々の会計処理が得意な人、相続税の処理が得意な人、節税対策が得意な人、そして、資金繰りが得意な人など、強みもそれぞれ異なります。「いい税理士」を見つけるには、どんな目的で、何がしたいかを踏まえたうえで、そのニーズを満たせる人を探すことが重要です。ここでは「資金繰り改善」の観点から「いい税理士」について考えていきましょう。菅原由一氏が税理士の目線から解説します。

【関連記事】社長を「お金持ちにできる税理士、できない税理士」の決定的差

「資金繰り改善のできる税理士」とは?

■補助金採択のノウハウや実績があるなら、ズバリ「いい税理士」

資金繰り改善のできる税理士は、どんな税理士だろうか。

 

例えば、補助金採択のノウハウや実績を持つ税理士はいい税理士と言える。補助金の活用は資金繰り改善の大きな武器になるし、この分野に知見がある税理士なら、「資金繰りを楽にしたい」というニーズを満たすことができる。

 

重要なのは、税理士全員が補助金に詳しいわけではないということ。補助金の手続きは専門性が高いため、過去に補助金採択の申請や手続きをした経験がない税理士には手出しできない。「頼みやすいから」「近くにいるから」という理由で顧問税理士に頼んでも、その顧問税理士がたまたま補助金に詳しい人でない限り、補助金は採択できないだろう。

 

「経営者仲間からこういう補助金があると聞いたんだけど、うちの会社も申請できるだろうか」

 

そう聞けば、顧問税理士はおそらく「調べてみます」というだろう。士業のプライドがある税理士は「できません」「分かりません」とは言い出せないもの。だから「調べてみます」と答える。その答えを信じて、経営者は採択される可能性がない補助金を待ち続ける。そうこうしているうちに、魅力ある補助金は別の誰かの手に渡ってしまう。

 

補助金は申請ありき。申請しなければお金は出ないし、待っていて勝手にお金が降ってくるような仕組みではない。

 

また、補助金は申請しても通らないこともある。補助金は多数の種類があり、いつ募集されるか分からず、急に終わることもある。

 

その点で、補助金は戦いである。奪い合いと言ってもいい状況の中で、ノウハウや実績がない税理士に期待するのは実に無駄だ。時間の無駄になるだけでなく、ノウハウがある税理士に依頼し、補助金を得られていたかもしれない機会も無駄になる。まずは、このサイクルから抜け出そう。

 

■「相続関連の税務相談」も「税理士の実績・ノウハウ」が成否を左右

余談だが、相続にまつわる税務の相談もこのパターンで失敗することが多い。

 

相続の税務とは、事業承継時に発生する税金の手続きや、経営者が持つ株やその他資産の相続で発生する相続税節税の相談など。これも「顧問税理士に任せておけば大丈夫だろう」と考える経営者が多いが、正しく処理できる税理士は少ない。

 

日本には約8万人の税理士がいる。一方、1年間で発生する相続案件は11.5万件しかない。単純計算すると、税理士1人あたり1年に1.4件しか相続を扱っていない。しかも、相続相談は相続専門の税理士に依頼が偏ることが多いため、実態として、1年に1件も相続を扱わない税理士はたくさんいる。過去に1件も扱ったことがない税理士もいる。

 

つまり、税理士全般として相続に詳しい人は少なく、経験やノウハウが身に付きにくいということ。そういう人に相続の税務を頼んでも、うまくいく可能性は低い。基本的な手続きはできるだろうけど、多額の相続税が発生する。「税理士は税務全般に詳しいはず」と思い込んでしまうせいで、節税できず、後継者の相続税負担が大きくなり、円滑な事業承継ができなくなってしまう。

SMGグループ CEO
SMG菅原経営株式会社 代表取締役
SMG税理士事務所 代表税理士 

1975年三重県生まれ。税理士。東京・名古屋・大阪・三重に拠点を置き、中小企業の資金繰りコンサルタントとして活躍。銀行が絶賛する独自資料の作成で赤字会社も含め融資実行率は95%以上。顧問先の黒字企業割合は85%を実現している。

これまで700本以上のセミナー講師を務め、7000名超の経営者が受講し、TV、専門誌、新聞、各メディアからの取材も多く、大手企業からの講演依頼も多数。

アメーバブログ「脱!税理士菅原のお金を増やす経営術!」は人気を博し、Ameba公式トップブロガーに認定。

前著に『会社の運命を変える究極の資金繰り』がある。

著者紹介

連載「キャッシュリッチ企業」になれ!激レア資金繰りテクニック

※本連載は、菅原由一氏の著書『激レア 資金繰りテクニック50』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

激レア 資金繰りテクニック50

激レア 資金繰りテクニック50

菅原 由一

幻冬舎メディアコンサルティング

受講者数は延べ7000人! 資金繰り専門税理士のセミナー講義内容をついに書籍化。 会社の生存力を高めるには、負債がないことや黒字経営であることよりも、手元に資金がいくらあるかということが重要です。 たとえ黒字経…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧
TOPへ