【関連記事】自社の経営に取り込め!最新「儲かるビジネスモデル」を学ぶ
新規事業はサプライヤーと検証を行う
マーケティングでは、以下の4つの問いに答えられるようにマーケティング要素を具体化する必要があると言われています。
1.売れるか、2.作れるか、3.勝てるか、4.儲かるか。
マーケティングの4つの問いの2つ目は、2.作れるかです。この項は、作れるかについて見ていきます。
製品・サービスは、どんなものも自社だけでは作れませんので、必ずサプライヤーまたはパートナー企業が必要です。
(1)メーカーのサプライヤー
メーカー(製造業)のサプライヤーには、原材料メーカーや部品メーカー、ライン等機械の設備メーカー、エネルギー等のインフラ供給会社(電力・ガス・水道事業者)がありますが、新製品・サービスを成り立たせるために必要なサプライヤーとそのシーズを具体化し、取引見込み先の当てを付ける必要があります。
(2)小売業のサプライヤー
小売業のサプライヤーには、商品の仕入先、加工業者、包装資材メーカー、店舗什器メーカー、レジ等の会計機器メーカー、物流企業等があります。近年は、単品管理等のきめ細かな管理が必要になってきていますから、情報システム会社も重要なパートナー企業の一つといえます。またクレジット決済やICカード決済、QRコード決済等様々な決済方法に対応するために決済企業もパートナー企業となりえます。
(3)サービス業のサプライヤー
サービス業、例えば情報システムサービス会社を例にとると、サプライヤーは、ハードウェアメーカーやソフトウェアメーカーだけでなく、不足する人的リソースを補うために、パートナー企業が重要なサプライヤーとなっています。多くの情報システム会社が自社の社員と同数かそれ以上のパートナー社員の協力を得ているのが日本の現状です。
(4)サプライヤーのシーズ
シーズとは種のことですが、サプライヤーがどのような強みを持っているのか、自社と補完関係にあるのか、商品・サービスを成り立たせるのに必要なシーズなのか、継続的な調達が行えるのか等をよく検討してサプライヤー選びを行う必要があります。
(5)キャパシティの調整弁
情報システム会社の例でみたように、通称ビジネスパートナー(BP)と呼ばれるパートナー企業は、自社キャパシティ(供給能力)の調整弁的な役割も担っています。繁忙期には、多くのパートナー社員を使ってたくさんの仕事をこなし、閑散期にはパートナー数を減らして、自社社員中心に作業を行う等がその例です。
小売業などでも、自社物流が主体の企業でも、オーバフローすれば他の物流企業や外部倉庫を使う等協力先を活用しているケースもあります。
(6)競合先か協力先か
パートナー企業は、一見競合先となりうるような例もあります。例えば、自動車メーカーの中には、自社のラインナップに軽自動車がないために、軽自動車を製造する競合他社からOEM供給を受けているようなケースがあります。
このように、競合他社も場合によってはパートナー企業ともなりうるものなので、ふだんから敵対的にならないように、いざとなったら手を結べる関係を構築しておくことが必要です。
新規事業のケースでも、競合先としてインタビューに行った先から逆に提携の提案が持ち込まれて、結果として提携によって新規事業が始まったことがありました。
必要なサプライヤーとそのシーズの当てをつける