(※写真はイメージです/PIXTA)

日本企業でもMVVという言葉を使い始めました。MVVとは、ミッション、ビジョン、バリューを指し、会社・組織として大切にしているものをいいます。どうやって社員に浸透させればいいのでしょうか。著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

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MVVと企業理念との関係理解する

最近日本企業でもMVVという言葉を使い始めました。MVVとは、Mission、Vision、Valueの頭文字を取った言葉で、Missionとは使命のこと、Visionとはビジョンのこと、Valueとは価値観のことを指し、会社・組織として大切にしているものをいいます。外資系の企業が理念・ビジョンのことを指す時に使う言葉です。

 

もともと日本語にある言葉では、古くは社是社訓や企業理念、経営理念と似ていますが、相互の関係は、次表のようになります。

 

通常、企業理念には、①存在意義・使命、②経営の姿勢、③行動規範の3要素が入ると言われていますから、それぞれの要素との関係を捉えると分りやすくなると思います。

 

Missionは、企業理念の一つ目の要素である存在意義に相当します。この会社・組織はなにのためにあるか、存在するかということを定義しています。

 

Visionは、企業理念の3要素ではなく、いわゆる経営ビジョンと同じものを指しています。ビジョンという言葉が、日本語でもカタカナで表記されるのは、日本語にぴったりとした言葉がないからでしょう。あえて言えば、望ましい将来像とかあるべき姿等と言えます。

 

Valueは、価値観で、経営上重視する価値観と従業員の心構えとして重視する価値観とに分けて考えることができます。そして前者の経営上重視する価値観が、企業理念の2番目の要素である「経営の姿勢」となり、後者の従業員の心構えが「行動規範」となります。

 

この他外来の言葉には、Corporate Slogan=企業スローガンやCSR Guideline=企業市民憲章等があります。

 

古い言い方の社是は存在意義に近く、社訓は経営の姿勢に近いと言えるでしょう。

 

こうした呼び名は、特にルールがあるわけではないので企業ごとに、基本理念や社憲、綱領等いろいろな呼び方をしています。無理やり揃える必要はありませんが、自社で使われているものが、何に相当するのかという理解を深めておくと良いでしょう。

 

Visionは将来のことなので、時代の変化とともに変わる可能性がありますが、MissionやValueに相当する部分は、価値観なので、多少の年月を経てもそうそうは変わりません。日本企業の中には、古くからの社是や綱領を維持し続けている会社があります。

 

従来の呼び名を継続して使っても構いませんが、海外に出て行った際には翻訳が求められますから、英語で何と呼ぶかは決めておいた方がいいでしょう。

 

ポイント
MVVは、会社経営・組織運営の基礎

 

次ページ理念はとうやって浸透させればいいか

※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

経営環境が激変する最悪シナリオを乗り切る「事業計画書」の立て方・作り方とは? 「ビジョン・戦略立案フレームワーク」で何を/どの段階で行うかがわかる“これからの”実践教科書。 コロナ禍にあっても、事業計画の立…

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