(※写真はイメージです/PIXTA)

もともとは戦後つくられた娯楽施設利用税でした。1989年の消費税導入の際にパチンコやボウリングなどは税が廃止されましたが、ゴルフだけがゴルフ場利用税として残りました。なぜなのでしょうか。渡瀬裕哉氏が著書『無駄(規制)をやめたらいいことだらけ 令和の大減税と規制緩和』(ワニブックス)でゴルフ場利用税について解説します。

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娯楽施設利用税は地方税として残った

■とにかく税金をなくすのが大事――ゴルフ場利用税

 

スポーツを楽しもうとするときに、規制だけではなく税金がかかるものもあります。ゴルフです。

 

ゴルフというと、年代によってイメージが全然異なるかも知れません。会社の上司や取引先の接待でやっていたとか、バブル経済の頃にはゴルフ会員権が投機の対象だったとか。また、若い世代のプロゴルファーにスターが出現して、ゴルフというスポーツそのものの人気が盛り上がったりと様々な紆余曲折を辿っていますが、日本は世界の中でもゴルフの競技人口が多い国です。世界ではゴルフ競技人口は6000万人を超えると推測され、スポーツ競技の中でも大変ポピュラーです。

 

日本ゴルフ協会の設立は、およそ100年前の大正13年(1924)です。昭和2年(1927)には、横浜で第1回日本オープン選手権が開催されました。現在、日本オープンは、ゴルフ界の秋のビッグイベントとなっていて、100人以上の選手が参加します。賞金総額も増えて、2019年には2億円を超えました。第1回大会の開催時は参加者17名、うちアマチュアゴルファーが12名だったことを考えると、競技としても大きく発展し、また一般の国民も多くの人たちがゴルフを嗜たしなむようになった歴史を持っています。

 

実はこのゴルフ、街中にある「打ちっぱなし」と通称される練習場ではなく、日本各地にあるゴルフ場のコースでプレーすると税金がかかります。ゴルフ場利用税です。地方税の一種で、ゴルフ場がある市町村と都道府県の財源となっている税金です。

 

ゴルフ場利用税は、元々は娯楽施設利用税という名前でした。ダンスホールやパチンコ、ボウリング場、ビリヤード場、麻雀などの大衆娯楽に対して、政府は課税していたのです。娯楽施設利用税の頃は、ゴルフ練習場も課税対象でした。もっと古くは、映画や演劇、演芸、音楽などなど、開催場所への入場料にかかる入場税というものもあり、地方税から国税化されたり、また地方税に戻ったりと管轄が行ったり来たりしています。

 

娯楽施設利用税は、昭和29年(1954)に入場税が国税に移管されるときに分離して、地方税として残ったものです。娯楽に税金をかけるなんて、「空気読めよ」と思いますが、ゴルフ場に課税されていたのは、ゴルフがスポーツではなく娯楽として扱われていたということです。簡単にいえば、なんとなく「こいつら、遊んでいるから税金をかけてやろう」という趣旨の税金です。ビールのような嗜好品が課税や増税の対象になりやすいのと同じです。

 

娯楽施設利用税や入場税は、平成元年(1989)4月の消費税導入とともに廃止されましたが、なぜかこのゴルフ場利用税だけが別途創設されて現在まで残っています。

 

ゴルフ場利用税の標準税額は800円、ゴルフ場の規模や整備状況によって等級が分類され、一日当たり400円から最大1200円と定められています。都道府県が課税し、その7割が市町村、残りは都道府県に入ります。

 

多くの人たちは、娯楽なのだから1200円くらい追加で払えばいいじゃないかと思うかも知れません。ところが、ひとつひとつの小さな税金が積み重なって莫大な負担となり、結局は経済全体にとっての重荷になっていきます。このゴルフ場利用税をとってみても、全国で徴収される年間総額は500億円にもなります。

 

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    ※本連載は渡瀬裕哉氏の著書『無駄(規制)をやめたらいいことだらけ 令和の大減税と規制緩和』(ワニブックス)から一部を抜粋し、再編集したものです。

    無駄(規制)をやめたらいいことだらけ 令和の大減税と規制緩和

    無駄(規制)をやめたらいいことだらけ 令和の大減税と規制緩和

    渡瀬 裕哉

    ワニブックス

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