(※写真はイメージです/PIXTA)

経営会議を見える化し、全員参加型の会議にすることで社員の実行責任が生まれてきます。経営計画の作成・推進支援のコンサルティング経験が豊富な中小企業診断士が著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で、業績を上げる経営会議の進め方を解説します

経営会議がないと計画の見えない経営に陥る

■経営会議がなければこうなる

年度の初めに売上や利益の計数目標を設定して、あとは、その計数をめざして日々仕事を進めています。その結果、社長は、決算期が近づくと、「今期はなんとか黒字になりそうだ」とか、あるいは「赤字になってしまうかもしれない」と慌てます。

 

その後、決算が終わり、黒字であれば、新年度もまた計数目標を定め、社員に対し、「昨年と同様に新年度も新たな計数目標の達成に向けて頑張ろう」と伝えます。黒字の原因などは特に分析せず、社員には「みんなが頑張ったから黒字になった」と言って終わることも多いものです。

 

社員も「なんとかうまくいったんだな」と思い、日常業務に就きます。

 

一方、赤字の場合は、社長は頭を抱え、まずは取引金融機関に出向き、赤字についてその要因を説明します。

 

赤字の要因としては、取引先の取引額が減少したとか、コストダウンの要請があり利益が減少したなどを挙げます。そして、新年度は、赤字を挽回すべく、「営業に力をいれ、取引量の拡大や新規取引先の開拓を推進する」と言い、取引金融機関をあとにします。実際は、取引量の拡大や新規取引先開拓のあてもありません。いつもどおり、日常業務に追われ、赤字対策は進みません。

 

■経営会議は、各部門のコミュニケーションの場

経営計画がないと異なる部門同士のコミュニケーションがとりづらくなります。経営会議が行われれば、ふだん仕事で話す機会のない部門であっても、お互いを理解するようにコミュニケーションを図れます。これにより、全体として仕事がスムーズに運ぶようになります。経営計画を実現していく以外にも経営会議のメリットはあるのです。

 

ワンポイント
経営会議がなければ、経営計画は、なりゆきで進むようになる。
具体的行動
毎月の経営会議をきちんと開催して、問題がないかをチェックしよう。

 

宮内 健次

中小企業診断士 社会保険労務士

 

 

※本連載は、宮内健次氏の著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋、再編集したものです。

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

宮内 健次

日本能率協会マネジメントセンター

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