(※写真はイメージです/PIXTA)

整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)。中小企業診断士である宮内健次氏は、書籍『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)のなかで、「5S」の重要性を説いています。簡単そうでなかなか難しいその中身、一つずつ見ていきましょう。

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簡単そうで難しい…「要らない物を捨てる」という行為

■不要品を判定する

 

本記事では、PDCAを回すために重要な「5S」<整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)>のそれぞれの進め方を、具体的に見ていきます。

 

まずは整理です。これは5Sの中でも、整頓・清掃とともに3Sと呼ばれる、核となる活動です。整理とは、要る物と要らない物を分けて、要らない物を捨てることです。整理ができていないと、いたるところに不要品が放置されることになります。

 

その結果、ムダな保管コストがかかりますし、作業スペースが狭くなるせいで作業効率も落ちます。さらに、必要な物が見つかりにくくなって、作業に余計な時間を要することにもなります。整理によって不要品を排除することは、さまざまなレベルでのムダの排除につながるのです。

 

整理のルールを明確化し、マニュアルにまとめていきましょう。しっかりとしたルールがあれば、効率的にムダを排除していけます。

 

まずは、過去の使用実績(これまでどれくらい使ったか)と将来の予測(これからどれくらい使うことになるか)の観点から、必要か必要でないかの判定基準を設定します。

「捨てる決断」ができなければ整理は何も進まない

次に5S委員会で、対象物事の不要品判定管理表を作成します。ここには、何か月使わなかったら不要品とするか(不要品期間)、誰が不要品だと判定するか(不要品判定者)、判定を確認するのは誰か(不要品確認者)、不要品一覧表に記載するか否かを明記します。

 

さらに、治工具・金型・測定具・運搬具などについて、使用頻度を考慮しながら、手元に保有する数量・種類を設定し、手持ち管理表にします。

 

こうして整理基準と計画が決定したら、期間を決めて一斉に整理を開始します。

 

まずは、要らないのではないかと思われる物に整理品伝票を貼っていきます。次に、整理品伝票を貼られた物が本当に不要かどうか、伝票と現物を照らし合わせて判定します。

 

不要品だとはっきりわかったら、不要品判定管理表を参照して処分方法の判定(廃棄や売却など)を行い、結果を不要品一覧表に記録します。そしてこの表をもとに、最適な方法で処分するのです。

 

ワンポイント
トップが捨てる決断ができなければ整理は何も進まない。
具体的行動
不要品判定管理表を作成し、不要品の判定を進めよう。

 

次ページ「いつも見られている…」と思えば整頓が簡単になる?

※本連載は、宮内健次氏の著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋、再編集したものです。

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

宮内 健次

日本能率協会マネジメントセンター

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