定年を迎えたおひとり様男性が、仕事を辞める決断ができたワケ
厚生労働省『令和4年就労条件総合調査結果の概況』によると、定年制を定めている企業は94.4%。定年制のある企業のうち一律に定年制を定めている企業は96.9%で、そのうち定年を60歳とする企業は72.3%、65歳とする企業は21.1%。昨今は法改正により、60歳以降も働きやすい環境が整備されていますが、働き続けるか、それとも仕事を辞めるか……60歳を前に人生の大きな選択を迫られているサラリーマンが7割弱にもなるということになります。
大学を卒業して以来勤めていた会社で定年を迎えた山本壮介さん(仮名・60歳)は、会社を辞める選択をしたひとり。「もしかしたら、新たに仕事を始めるかも」といいますが、40年弱勤めた会社、いったんはリセットして、第2の人生を謳歌したい、という気持ちが強かったといいます。
このような決断ができた理由は2つ。まずは将来に対して金銭的な不安がなかったこと。山本さんが定年時にもらえる退職金は、2,400万円。厚生労働省『令和5年就労条件総合調査』によると、退職給付制度がある企業の割合は74.9%。また大卒で勤続35年以上の定年退職者の平均退職給付額は2,037万円。山本さん、平均以上の退職金を手にすることができました。
さらに貯蓄は預貯金や株式などを合わせて3,000万円ほど。老後は年金のほか2,000万円が必要とよく耳にしますが、それは夫婦の場合。山本さんは独身であり、いわれている以上の蓄えがあるわけです。しかも住まいのマンションは持ち家。ローンの返済も終えています。老後に向けては完璧といえるほど万全なのです。
もうひとつの理由が、前述のとおり独身であること。仕事を続けるか続けないかは自分次第。すべての選択を自分で決められるのは独身者の強みだといいます。
――別に1人がよかったというわけではないんですが、中学校から男子校で、大学は理工系、職場は男性が多い研究職……積極的に相手を求めなければ、結婚は難しい環境だったんです
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