(※写真はイメージです/PIXTA)

経営会議を見える化し、全員参加型の会議にすることで社員の実行責任が生まれてきます。経営計画の作成・推進支援のコンサルティング経験が豊富な中小企業診断士が著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で、業績を上げる経営会議の進め方を解説します

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経営計画の検証の場、経営会議を開く

■経営会議とは

経営会議は、会社の実行すべきことを決定し、実行してきたことを検証し、問題があれば改善を指示する場となります。

 

この会議では、作成した経営計画の推進状況を検証します。また、経営課題の検討も行います。

 

■経営会議の構成と開催

経営会議の構成メンバーは、社長、役員、部門長となります。開催は、原則として月1回、月初に開催する定例会議となります。開始通知は、総務部が社長名で行います。

 

また、経営会議の進め方は、会社の体制にもよりますが、総務部長が司会進行をして進めるケースが多いです。

 

■経営会議のメリット

経営会議を開催することにより、会社の各部門の責任者が集まり、そこで意見を出し合って合議事項として決めることができます。

 

そして、合議事項は会社の決定として、責任者を通じて関係者に伝えられて実行に移されていきます。

 

また、経営会議を開催することで、社長ひとりが一方的に実施すべきことを決めて、あとは伝達事項になるということにはならないので、全員参加の意識が醸成され、施策のやる気につながります。社員は実施する内容をきちんと理解・納得し、腑に落ちなければ、なかなか行動に移せないものです。

 

ワンポイント
全員参加型の会議で、社員に実行責任が生まれる。
具体的行動
経営会議を毎月定例化して。合議として経営を進めよう。

経営の見える化を実現する経営会議の進め方

■経営計画の作成

経営理念をもとに、経宮ビジョン、環境分析、経営目標、経営方針、目標利益計画、主要施策、行動計画などの経営計画を作成していきます。

 

そして、ここで作成した経営計画は、全社員に発表して、実行していくこととなります。なお、社員参加型の委員会方式の経営計画は、作成および進捗管理の構成メンバーに、必要に応じて施策の責任者が加わります。

 

■経営計画の進捗管理

①目標計数と実績との差異の検証

経理部門より提出された月次の目標利益計画をもとに、計画どおりに実績が推移しているかをチェックします。実績が計画に満たない場合、また仮に、計画が実績を下回っている場合は差額対策を検討し、改善策を考えます。

 

計画は、実現できる目標を定めるべきです。実績が目標を大きく下回っても、大きく上回っても問題です。

 

②行動計画の差異の検証

行動計画は、各部門が計画した行動内容がきちんと実行され、そして検証、改善というPDCAのサイクルで問題なく回っているかを見ます。このPDCAのサイクルに問題が発生している場合は、その原因を検討します。

 

■経営課題の検討

所管部門の役員や部長から、現在、発生している経営上の課題について挙げてもらい検討します。

 

ワンポイント
経営会議は経営計画の進捗をみんなで考える場となる。
具体的行動
経営計画の作成とその進捗状況のチェックをきちんと行おう。

 

次ページ経営会議がないと計画の見えない経営に陥る

※本連載は、宮内健次氏の著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋、再編集したものです。

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

宮内 健次

日本能率協会マネジメントセンター

「経営計画」は「A4用紙一枚」から。 この1冊で「A4一枚×経営計画」の基本がわかる。 1万件以上の経営指導をした元銀行マンが教える、最もシンプルな経営計画の実践メソッド。 経営計画をつくり、きちんと儲かる会社に…

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