「いつも見られている…」と思えば整頓が簡単になる?
■基準を決めて、いつもきれいに
整頓とは、物の置き場を決め、使った物を必ず所定の場所に戻すことです。このことによって、物を探して取り出すのにかかる時間が短縮され、有効な実労働時間を増やすことができます。
整頓において大事な点は、仕組み作りです。どんなに整頓作業に時間を割いても、仕組みがないままだと、物がどこにあるのかわからなくなってしまいます。また、職場がいつも外部から見られるような状態にしておくと、「いつもきれいにしておこう」という意識が生まれ、整頓が徹底されます。
具体的な整頓の手順としては、まず整頓の基準を決めます。
物の置き場・品名・数量などの表示基準を決め、収納場所の指示が誰にでもわかるよう、物の置き場に番地をつけます。さらに、物を容器に入れる場合の収納数の基準も決めておきます。これらの基準を、手順書という形でまとめておきましょう。
基準が確立したら、対象ブロックの整頓へと移ります。
どこに何を収納するかを明確にし、どのように表示するかを決め、整頓作業のための道具を準備します。また整頓対象ごとに「いつから整頓作業をスタートして、いつまでに、誰が、何をするのか」というスケジュールと分担も確認しましょう。それらの準備が終わったら、実際の整頓作業を行います。
特に注意が必要なのは、どう表示するかです。
せっかくきれいに収納しても、表示がなかったり不適切だったりすると、混乱を招きます。物の名前と数量を、はっきりと表示しましょう。資材・工具などを使用目的別に分類し、カテゴリーごとに表示の色を決めると、とても便利になります。
物が散らかる原因は、所定の場所に物を戻さないことにある。
具体的行動
整頓して、置き場、品名、数量などの表示基準を作ろう。
「汚れの発生と清掃」の不毛なくり返し…
■日常清掃と点検清掃
清掃とは、汚れた場所を掃除し、きれいにすることです。清掃によって汚れなどのせいで発生する不良品や設備類の故障などを防止することができます。社員が「自分たちの職場は自分たちできれいにしていこう」という意識をもつと、清掃活動はうまく進みます。
毎日決まった時間帯に、短時間の日常清掃を全員参加で行うようにしましょう。清掃する範囲と担当部署・担当者をあらかじめ決め、清掃担当者マップを作っておきます。また、「ゴミが落ちていないか」「汚れが残っていないか」などの項目を並べた清掃チェック表を作成し、きちんと清掃が行われているかを、ときおりチェックします。清掃のルールは定期的に見直して、いつも最適な清掃が行われるようにしましょう。
職場内の設備類の不具合を発見するという目的を兼ねた点検清掃も重要です。あらかじめ清掃を行う対象設備を明確にし、誰がどのような方法・手順で何を点検するかを、設備ごとに決めておきましょう。そのうえで、日常清掃と同時に点検清掃を行います。点検清掃も、実施状況のチェックとルールの見直しを、定期的に行ってください。
また、汚れない職場作りも心がけましょう。職場の汚さをなくすためには、汚れがどこから発生するのかをつきとめ、その発生源を断つことが必要です。そうしないと、汚れの発生と清掃の不毛なくり返しになります。そのほか、たとえば台車にモップを取りつけ、運搬と清掃を同時に行う「ついで清掃」などの工夫も大切です。
清掃は、地味な活動だが、毎日のくり返しが生産トラブルを防ぐことになる。
具体的行動
日常点検と点検清掃をつねに行うようにしよう。