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多様化する社会のサーフィンを愉しむ
▼浅く生きる人=多様性を受け入れない
先日、六本木にある新規上場企業から呼ばれて講演に行きました。
その日は休日の土曜日で、挨拶に現れた40歳くらいの専務に少々ビックリしました。
キレイにデザインされた短髪に、七分丈のデニム、裸足に革靴、カットソーに空色のジャケット。まさにファッション雑誌から抜け出たような容姿でした。
大手企業の役員はグレー系のスーツ姿でミドルシニア、という思い込み。
結婚式の予約が1年待ちという高級ホテルの結婚式に招待されて出席したときの話。
ハイエンドと呼ばれる新郎新婦のなれそめが紹介されて、「お二人はマッチングアプリで出逢いました!」と聞いて「ホ~ッ、なるほど! 今はそれが主流になりつつあるんだ」。
しかも財界人が列席する主賓のテーブルには高価なジャージ姿が数人いました。華やかな宴席ではフォーマルウェアが常識と考えていました。
これもルーティンやTPOはこうあるべきという思い込み。
最近は「LGBTs」(レズ、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、セクシャルマイノリティ)も含めて、100人いれば100通りの性があることを知らされます。
青春時代は単純に女性への憧れにまい進していた自分の幼さや情報の少なさを感じます。
性とはこんなものだ! という思い込み。
世の中には「バイアス(知らず知らずの偏見)」が満ちあふれています。ずっと浜辺に座って眺めていた「社会」という海。
そこには無数の波がありました。
これからは自分というサーフボードを駆使して、いろいろな波に乗っていくことをオススメします。
禁句なのは「もうついていけないよ」とギブアップしてしまうこと。
とにかく社会の変容を受け入れることが40代には求められています。
女流詩人の金子みすゞの有名な「私と小鳥と鈴と」をご紹介します。
私が両手をひろげても、
お空をちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のように、
地面を速く走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように
たくさんの唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんな違って、みんないい。
あらためて心に沁みますね。