(画像はイメージです/PIXTA)

ボス型、カリスマ型のスタイルは有事、戦闘時、または急成長を遂げているときは非常に有効に機能します。低成長の時代になると支援型リーダーシップの有益性が叫ばれます。どう考えればいいでしょうか。松尾一也氏が著書『40代から深く生きる人、浅く生きる人』(海竜社)で解説します。

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真のリーダーは「希望」を配る人

▼浅く生きる人=肝心なときにがっかりさせる

 

32年間、教育事業を営み、リーダーシップを中心に研究を重ねてきました。

 

本当にリーダーシップというのは大事です。

 

東日本大震災が起きたとき、宮城県石巻市の大川小学校の全校児童108人のうち7割が死亡、行方不明になりました。

 

地震後、避難場所をめぐり教諭たちと区長の間で意見が分かれて、校庭に集められた児童たちは裏山に避難せずに、地震発生後40分以上経ってから新北上大橋のたもとに移動する最中に津波に襲われたそうです。

 

このとき、瞬時に「なにが正しい判断か!」を下せる強いリーダーシップがなかったことに、今でも沈痛な思いを感じます。

 

リーダーシップは従来のボス型、カリスマ型のスタイルは有事、戦闘時、または急成長を遂げているときは非常に有効に機能します。

 

有能な人物のもと、その切れのある采配で変化し、成果があり、永続するということが組織のダイナミズムです。

 

しかしながら平和が続き、低成長の時代になると支援型リーダーシップ(サーバントリーダーシップ)の有益性が叫ばれて、この概念が急速に拡がりました。

 

偉大な志を持つ、普通の人が真のリーダーになるのです。

 

私もアメリカ・シアトルにあるワシントン大学で、陸軍士官学校のリーダーシップ教育を担当したパトリック・ベティン教授に教わり、なるほどこれなら誰もがリーダーになれると快哉を叫びました。

 

私がこの支援型リーダーシップを講義すると、大手企業のエリート社員、中小企業の経営者からは「そんなに甘くはいかない」と言う人も少なからずいます。

 

また、時代は不安定期になり激動の日々となりました。

 

私が思うのはボス型リーダーシップが得意であれば、それに支援型リーダーシップの要素を取り入れてマネジメントすれば鬼に金棒だということ。

 

よりパワーアップして物事が上手く回転することでしょう。

 

一方、支援型リーダーシップでマネジメントをしているリーダーも、コンセンサスだけではなくときには強いリーダーシップも大事であります。

 

人が迷い、立ち尽くすこの時代、人を導くエネルギーを発揮する場面がたくさん出てきます。

 

とにかくどんなスタイルを強みにしようとも、リーダーがずっと届け続けなくてはいけないのが「希望」です。

 

リーダーは希望を配る人なのです。

 

失敗はOKですが、あり方、生き方でがっかりさせてはいけないのです。

 

次ページ笑うこと、愉しむことを忘れた私たちへ

※本連載は松尾一也氏の著書『40代から深く生きる人、浅く生きる人』(海竜社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

40代から深く生きる人、浅く生きるひと

40代から深く生きる人、浅く生きるひと

松尾 一也

海竜社

気がつけば最近、たのしいと感じる瞬間がなくなっている。モチベーションがあがらない、人間関係に疲れている。就寝する頃には自分が完全に電池切れ、燃料切れになっている……。 最近の自分、ヤバくないっ!? それを特に…

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