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娘を連れて再婚した男性、後妻にも息子が誕生
今回の相談者は、40代会社員の吉崎さんです。3年前に前妻と離婚し、ひとり娘を連れて再婚しました。離婚の原因は前妻の人間関係とのことで、離婚に際しては、双方の親族を巻き込んだ諍いになったとのことです。
吉崎さんと前妻は娘の親権を争って激しいやり取りを繰り広げましたが、無事に吉崎さんが親権を得ることができ、離婚問題は決着しました。
大切なひとり娘につらい思いをさせたことが申し訳なく、また、子連れ再婚を承諾してくれた、元部下の現在の妻には心から感謝しています。
去年の夏には妻との間に男の子が生まれ、家庭も一層にぎやかになりました。娘も弟をかわいがっており、家庭は円満です。現在住んでいる郊外の戸建て住宅は、吉崎さんの両親が生前贈与してくれたものです。
「前妻との離婚で娘を転校させることになり、本当にかわいそうなことをしました。ですが、すぐ転校先にもなじんで、友達もたくさんできたようです。いつも明るく振舞って弱音を口にすることもありません。きっと僕や妻に気を使っているのでしょうね…。ただ、弟のことは本当にかわいいようで、いつも妻と一緒になって面倒を見ています」
自分亡きあとの「妻と娘の関係」に不安が…
吉崎さんはまだ40代になったばかりと若いのですが、自分が再婚して家族関係が複雑になったことから、万一の事態を考慮して、事前に対策を立てたいと思うようになりました。
「妻は優しく、いつも人に気配りをするタイプです。ですが、息子が生まれてから、娘と妻の間に見えない境界線ができたように感じていて…。それがとても引っかかるのです。もっとも、娘とは義理の関係ですから、致し方ないのかもしれませんが…」
吉崎さんは、父親である自分がいる限り、大きなトラブルはないだろうと考えています。しかし、吉崎さんに万一のことがあったら、いまの妻と吉崎さんの娘との関係が悪化する可能性もゼロではないと思うと、不安です。吉崎さんの娘は小学校の高学年で、成人までまだ8年あるのです。
吉崎さんの話を聞いた筆者は、遺言書作成をお勧めしました。
家庭でイニシアチブを取っている方が亡くなることで、残された家族関係が変化するケースは珍しくありません。万一の場合の無用な争いを防ぐには、遺言で遺産分割を決めておくのが効果的です。
一般論ではありますが、義理の親子関係は非常にデリケートです。平穏な家族の歴史を重ねても、決裂するときは決裂してしまいます。また、血縁関係と異なり、一度関係がこじれると、修復は容易ではありません。
吉崎さんは、自分がいなくなったあとに、娘といまの妻との共同生活がむずかしくなることも想定し、自宅は売却、預貯金と生命保険は後妻と子どもたち全員で等分に分けるよう、法定割合とは少し異なる記載を行いました。
遺言書を執行する際、子どもが未成年だった場合は後見人が必要となるため、吉崎さんの実兄を後見人として指定する旨も記載し、遺言書の作成が完了しました。
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