海外先進国では使わない…日本の認知症抑制薬、全身への「恐ろしい副作用リスク」【専門医が解説】

海外先進国では使わない…日本の認知症抑制薬、全身への「恐ろしい副作用リスク」【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

認知症専門医の磯野浩氏は「薬を出すだけの認知症診療はお金と時間の無駄遣い」と語ります。医師は診療において、普段の生活のヒアリングを丁寧におこない、家族の悩みに寄り添うことを第一としなければなりません。十分に情報収集をせずにむやみに薬を処方すれば、深刻な副作用リスクも高まります。ここでは同氏が「認知症の進行抑制薬」について解説します。

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「脳内に異常なタンパク質」抑える薬が処方されるが…

今、認知症の進行抑制薬がもたらす患者への利益に疑問がもたれています。

 

アルツハイマー型認知症では、アセチルコリンという物質が極端に減少し、これにより脳の記憶や学習に関係する神経伝達が著しく損なわれることが分かっています。脳の前脳基底部にあるコリン作動系が侵されるために、アセチルコリンの分解が異常に進んでしまうのです。

 

また、アルツハイマー型認知症患者の脳内には異常なタンパク質がたまることで、グルタミン酸という物質が過剰になり、記憶機能が障害されるということもいわれています。

 

そのためアルツハイマー型認知症の薬物療法では、アセチルコリンの分解を抑える作用をもつ薬や過剰なグルタミン酸を抑える薬が、抗認知症薬として処方されます。

 

神経伝達物質が減るのを抑え、情報伝達をスムーズにする働きをもつコリンエステラーゼ阻害薬と、情報伝達が混乱するもとになるカルシウムイオンの脳への流入を防ぐNMDA受容体拮抗薬の大きく2種類があります。

 

現在、日本では4種類の抗認知症薬が承認されています([図表])。

 

[図表]アルツハイマー型認知症に使用される薬

 

このうち日本では1999年に上市され、広く処方されている薬がコリンエステラーゼ阻害薬のドネペジルです。この名称にピンとこなくても、製品名のアリセプトⓇなら知っている、という人は多いと思います。アルツハイマー型のほかレビー小体型認知症にも適応拡大されています。

 

しかし、コリンエステラーゼ阻害薬は脳内のアセチルコリンを増やすよう働くために、体にさまざまな副作用リスクがあることも知られています。

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    ※本連載は、磯野浩氏の著書『認知症診断の不都合な真実』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    認知症診断の不都合な真実

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    磯野 浩

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