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不動産法務に詳しいAuthense法律事務所の森田雅也弁護士が建物の明渡訴訟のポイントを解説します。

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建物の明渡訴訟の概要と検討すべきケース

迷惑行為をしたり長期にわたって賃料を滞納したりする入居者を物件から立退させる場合に検討したいのが、建物の明渡訴訟です。まずは、建物の明渡訴訟についてその概要を解説していきましょう。

 

明渡訴訟の概要

 

建物の明渡訴訟とは、賃料を長期にわたって滞納したり、ペット禁止の物件でペットを飼うなどの契約違反している入居者を、物件から立退させるための訴訟を指します。

 

違反の是正を求めても改善されず、任意の退去にも応じてもらえない場合などに、最終的に検討したい方法です。訴訟では、裁判所が双方の事情を聞き、明渡しが妥当かどうかを判断します。

 

また、裁判の途中で双方の妥協点が見つかれば和解が成立する場合もあります。物件を明け渡すことを命じる旨の判決が出たり和解をしたにもかかわらず引き続き物件に居座るような場合には、強制執行をすることも可能です。

 

明渡訴訟を検討すべきケース

 

たとえば、家賃の支払いが一度遅延した程度では、明渡訴訟をしても認められる可能性は低いでしょう。建物の明渡請求が認められるためには、物件オーナーと入居者との信頼関係が破壊されたと認められる必要があります。

 

1ヶ月や2ヶ月程度賃料の支払いが遅れただけでは、信頼関係が破壊されたとまでは言えないと判断される可能性が高いためです。明渡訴訟を検討すべきケースは、たとえば次のような場合です。

 

■賃料を長期間滞納している

 

家賃を長期間滞納している場合には、明渡訴訟を検討すべきケースの一つといえます。何ヶ月間の滞納をもって「長期間」と判断するのかは事案ごとに異なるものの、おおむね3ヶ月程度を基準とすることが多いようです。

 

この期間は画一的に判断されるものではなく、物件オーナーとの信頼関係を破壊するに足りる期間かどうかが、事案ごとに判断されることになります。

 

■近隣からの苦情が頻発している

 

騒音や異臭などにより近隣からの苦情が頻発している場合にも、明渡訴訟を検討すると良いでしょう。ただし、苦情の場合には単に近隣の人がいわゆる神経質であり、通常の生活音などが気になって苦情を申し立てている場合もあります。

 

そのため、苦情の対象となっている入居者に問題があるとはじめから決めつけて対応するのはなく、まずは事前によく実態を調査するなど慎重に対応をする必要があるでしょう。

 

■契約違反が是正されない

 

契約違反の状態をやめるよう求めているにもかかわらず改善がされない場合も、明渡訴訟を検討すべきケースの一つです。契約違反には、たとえば次のようなケースが考えられます。

 

・ペットの飼育を禁止されている物件でペットを飼育している

・物件に勝手に他者を住ませて入居人数をオーバーしている

・無断で物件をリフォームしている

・居住用の前提で貸した物件を勝手に事務所や店舗として使用している

・無断で物件を転貸している

 

契約違反の場合には、その違反の程度などにより明渡しが認められるかどうかが異なります。悩んだ際には、まず弁護士に相談すると良いでしょう。

 

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    本記事はAuthense不動産法務のブログ・コラムを転載したものです。

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