(※写真はイメージです/PIXTA)

経営計画は現実離れした達成不可能な計画を作っても社員がやる気を失ってしまいます。一方、簡単に達成できる計画は社員も会社としての成果も小さいものになります。どう計画を作り、実行すればいいのでしょうか。経営計画の作成・推進支援のコンサルティング経験が豊富な中小企業診断士がわかりやすく解説します。

経営計画作成上の問題②達成する努力が必要

■陥りがちな落とし穴②

 

定量的な目標が設定されていない
前項の続きで、経営計画を作成するうえでの問題点です。経営目標や主要施策や行動計画に定量的な内容が設定されないと、成果が測定できません。そのため、確実に目標に向かって進んでいるのか、どのくらい目標に近づいているのかがわからなくなってしまいます。

また、どれだけ成果が出ているかがわからないので、社員は達成感を味わうことができず、やる気がなくなったり、仕事がマンネリ化したりします。

 

PDCAが回らない
行動計画では、月を単位に目標を設定して実行します。しかし、計画と実際の成果との差異を検証せず、問題への対処策を打たないままだと、何も改善されません。差異が生じている場合は、その原因を追究するとともに、改善策を講じましょう。

 

計画・実行・評価・改善をくり返す、いわゆるPDCAのサイクルは、経営計画でもとても重要です。

 

目標に根拠がない
経営目標の数字や目標利益計画を設定しても、その数字を達成できる根拠がなければ、意味がありません。作成した主要施策や行動計画の中で達成できるような数字が求められます。もし、主要施策や行動計画の中に、経営目標や目標利益計画の根拠がなければ、これらは単に願望の数字でしかありませんから、見直してください。

 

現場が経営計画を知らない
社長とごく一部の幹部のみで経営計画を作成し、そのほかの社員に発表しないようでは、現場に目的意識が芽生えず、単に日常業務を行うだけになります。そうならないよう、経営計画が完成したら、発表会を開きましょう。

 

ワンポイント
現場を見て計画を作ることが社員の本気につながる。
具体的行動
特に大切なものは、PDCAがしっかり回っていること。そこを肝と考えよう。

 

作成した経営計画を繰り返しチェックする

■経営計画の問題点を洗い出すチェックポイント

 

次ページの表でチェックを行い、問題がある場合は、経営計画の見直しをしてください。中でも特に重要なのは、経営計画を具体的に推進していく主要施策と行動計画ですので、しっかりチェックしてください。

 

もちろん、外部環境や内部環境などは日々変化していきますので、その都度見直し、バージョンアップをしなければなりません。

 

全社員が目標とする理想的な経営計画を作り上げるため、くり返し検証を続けていってみてください。

 

 

 

宮内 健次

中小企業診断士 社会保険労務士

 

 

※本連載は、宮内健次氏の著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋、再編集したものです。

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

宮内 健次

日本能率協会マネジメントセンター

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