(※写真はイメージです/PIXTA)

行動計画の進捗チェックでは、施策実現のための行動計画がPDCAできちんと回っているかどうかを確認します。PDCAが途中で止まっていたり、計画どおりの成果が出ていなかった場合はその原因を究明し、解消しましょう。経営計画の作成・推進支援のコンサルティング経験が豊富な中小企業診断士がわかりやすく解説します。

【関連記事】他社のマネするだけ「A4用紙一枚の経営計画」で成功する方法

行動計画を補完する「行動計画管理表」の考え方

■行動計画管理表での管理

 

行動計画管理表は、行動計画をPDCA方式で管理し、計画と実際の動きなどを詳細に把握することができる、便利な表です。A4用紙一枚の経営計画では、行動計画を線表で表現し、その結果については年度ベースで成果と反省の欄に記載します。

 

この方式は、作成や確認が簡単だというメリットがある一方、月単位の計画内容、実施内容、結果の詳しい検証、改善計画を表せません。そうした内容については、おもに部門別会議を通じて検討し進めていきますが、規模の大きな会社で重要なプロジェクトを進めていたりする場合には、経営計画の会議の場でも行動計画の進捗状況を詳細に検証できたほうがよいでしょう。

 

そのために、A4用紙一枚の経営計画とは別に、PDCA方式の行動計画管理表も作成します。

 

【表1】行動計画管理表の例

行動計画管理表の進め方①施策ごとにPDCAを回す

■PDCA方式の行動計画管理表

 

【表1】は、実行する1つの施策を「項目」の欄に書き込み、各月について「計画」「実行」「検証」「改善」を記載していくのが、大きな流れになります。

 

計画(P)

まず計画は、経営計画にもとづいた行動計画上の施策を達成するための計画ですから、施策の内容に即したものであることが絶対条件です。

 

「どのような行動計画を作成したら施策を達成できるかわからないので、計画が書けない」と言う人がいますが、計画が書けなければ、施策は進みません。ここは真剣に考えて、アイデアを出しましょう。

 

計画は、プロセス管理の基準となる月次の重要業績評価指標(KPI)と目標数値に連動したものであることも必要です(重要業績評価指標については後述します)。ここがまったくピント外れになってしまうと、当然結果は出ません。

 

また、重要業績評価指標と連動はしていたとしても、レベルが低すぎて目標数値に届かなければ意味がありませんし、逆に実現不可能なほどレベルが高すぎてもいけません。自社にとって適切なレベルの計画を立てましょう。

 

実行(D)

ここでは、計画したことをどれだけ実行したかが重要です。日々の業務に流されて、計画を途中までしか実行できなかったり、まったく実行できなかったりする場合があります。ここは何よりも、全員で計画どおり実行することをめざしましょう。

 

また、実行する内容が、計画としっかり一致するように気をつけましょう。担当者の独断で計画内容と合わないことを実行しても、期待していた効果は出ません。その点をあとで検証できるようにするためにも、実行した内容を具体的に記録しておきましょう。

 

ワンポイント
計画の内容がPDCAを回す鍵となる。
具体的行動
主要施策に沿って、しっかりとした計画を立案していこう。

 

次ページ行動計画管理表の進め方②PDCAが回る施策を実現

※本連載は、宮内健次氏の著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋、再編集したものです。

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

宮内 健次

日本能率協会マネジメントセンター

「経営計画」は「A4用紙一枚」から。 この1冊で「A4一枚×経営計画」の基本がわかる。 1万件以上の経営指導をした元銀行マンが教える、最もシンプルな経営計画の実践メソッド。 経営計画をつくり、きちんと儲かる会社に…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧