(※写真はイメージです/PIXTA)

経営計画は現実離れした達成不可能な計画を作っても社員がやる気を失ってしまいます。一方、簡単に達成できる計画は社員も会社としての成果も小さいものになります。どう計画を作り、実行すればいいのでしょうか。経営計画の作成・推進支援のコンサルティング経験が豊富な中小企業診断士がわかりやすく解説します。

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予算管理表の例…月次試算表を経営に生かす

■目標利益計画を、より詳しく把握

 

予算管理表は、A4用紙一枚の経営計画(8)目標利益計画の内容を補足するものです。

 

 

項目として挙げた「売上高」以下の「年度予算」を月割りしたものを「計画」に記入し、月次決算で得た実際の数値を「実績」に記入します。さらにその差額を、「差額」欄に記入して、予算を管理します。

項目は、「売上原価」を「材料費」「労務費」……等詳細に損益項目に従って分割していけば、よりわかりやすいものになります。

 

経営計画作成上の問題①計画倒れにしない

■陥りがちな落とし穴①

 

ここで、経営計画を作成するときに陥りがちな落とし穴について述べておきます。

 

現実離れした計画を作成してしまう
外部環境や内部環境を考えず、理想的な計画を作ろうとすると、現実的には達成できない計画になってしまいます。そんな経営計画では、社員も「できるはずがない」と思い、やる気を失います。

 

やさしすぎる計画を作成してしまう
経営計画は、経営理念を頂点に、経営ビジョン、経営目標、経営方針、目標利益計画、主要施策、行動計画を作成していきます。経営理念を低いレベルに設定すると、経営ビジョン以下もそれに応じたレベルに抑えられ、簡単に達成できる目標と、容易にできる行動ばかりになります。

 

実施していく社員は楽ですが、会社としての成果は小さなものになってしまいます。

 

経営計画の内容に整合性がない
経営理念、経営ビジョン、経営目標、経営方針、目標利益計画、主要施策、行動計画は、すべてひとつながりのものとして作成されるべきです。

 

それぞれがまったく関連なく作成されると、経営計画の内容はバラバラになってしまいます。その結果、求める成果が得られないことになります。

 

ワンポイント
経営計画は、理想的すぎても安易すぎても計画倒れとなり意味がなくなる。
具体的行動
経営計画は、チェックリストなどを参考に全体のバランスを見て作成しよう。

 

次ページ経営計画作成上の問題②達成する努力が必要

※本連載は、宮内健次氏の著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋、再編集したものです。

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

宮内 健次

日本能率協会マネジメントセンター

「経営計画」は「A4用紙一枚」から。 この1冊で「A4一枚×経営計画」の基本がわかる。 1万件以上の経営指導をした元銀行マンが教える、最もシンプルな経営計画の実践メソッド。 経営計画をつくり、きちんと儲かる会社に…

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