「孤独をうまくコントロールできる人」「できない人」決定的差 (※画像はイメージです/PIXTA)

「孤独と上手につきあえる人ほど、依存できる人や物が多い」……精神科医である和田秀樹氏は、書籍『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)のなかで、「人への依存」という言葉の本当の意味を説いています。

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「誰かに頼る」ことは甘えじゃない

■人は膨大なものに「依存」して生きている!

 

人への依存とはいったいどういうことなのでしょうか?

 

それを考えるために、東京大学の医学部を卒業した小児科医、熊谷晋一郎氏の言葉を紹介しましょう。

 

熊谷氏は、新生児仮死の後遺症によって脳性まひの障害を負い、車椅子で生活している医師です。彼は、障害者と健常者の違いを述べるなかで、「依存」についてこう語っています。

 

〈健常者は何にも頼らずに自立していて、障害者はいろいろなものに頼らないと生きてけない人だと勘違いされている。けれども真実は逆で、健常者はさまざまなものに依存できていて、障害者は限られたものにしか依存できていない。依存先を増やして、一つひとつへの依存度を浅くすると、何にも依存してないかのように錯覚できます。“健常者である”というのはまさにそういうことなのです〉

(公益財団法人東京都人権啓発センター「TOKYO人権」第56号より)

 

たとえば、災害に遭ってビルの5階から逃げなくてはいけないとき。健常者であれば、エレベーターを使うこともできるけれど、エレベーターが動いていなければ、階段やはしごを下りることもできます。

 

ところが、車椅子に乗った人の場合、ビルの5階から逃げようと思ったら、エレベーターが止まってしまったら、なす術がなくなってしまう……。

 

あるいは、風呂に入るとき。健常者の場合は、とくに意識しなくてもひとりで風呂に入れます。気分が乗れば銭湯に出かけたっていいし、サウナで体を温めることも可能です。

 

しかし、手足に不自由がある人の場合、選択肢は自宅の風呂にほぼ限られてしまううえ、それすら誰かの助けを借りなくては入れません。

 

でもこれは、健常者が何にも依存していないということではないのです。

 

〈実は膨大なものに依存しているのに、「私は何にも依存していない」と感じられる状態こそが、“自立”といわれる状態〉だ、と熊谷氏は言っています。

和田秀樹こころと体のクリニック院長
精神科医

1960 年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、国際医療福祉大学心理学科教授。川崎幸病院精神科顧問。和田秀樹こころと体のクリニック院長。「I&C キッズスクール」理事長。一橋大学経済学部非常勤講師。27 歳のときに執筆した『受験は要領』がベストセラーになり、緑鐵受験指導ゼミナール創業。主な著書に『自分が高齢になるということ』(新講社)、『年代別 医学的に正しい生き方』(講談社)、『孤独と上手につきあう9つの習慣』(だいわ文庫)、『「人生100年」老年格差』『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)などがある。

著者紹介

連載精神科医が教える「孤独」と上手につきあう作法

孤独と上手につきあう9つの習慣

孤独と上手につきあう9つの習慣

和田 秀樹

大和書房

人間はそれほどストレス耐性の強い生きものではないという。 孤独や疎外感がいかに人を生きにくくさせているか、ストレスの原因になっているか。実際、病気にはなっていないけれども自分の居場所で安心してくつろげないという…

公立・私立中堅校から東大に入る本

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