身近な心療内科…カウンセリングを活用できない日本人の問題点【精神科医が解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

日本でも精神科や心療内科が身近な存在になり、カウンセリングという言葉が一般的になってきました。しかし、まだまだ活用できない日本人は多いといいます。それはなぜでしょうか。精神科医の和田秀樹氏が著書『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)で解説します。

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「精神科」はまだまだ遠い存在か?

■カウンセリングを活用できない日本人

 

日本でも精神科や心療内科が身近な存在になり、カウンセリングという言葉がずいぶん一般的になりましたが、まだまだ活用できない人は多いようです。

 

みなさんはカウンセリングと聞いたとき、「心を病んだ人が受けるもの」と思ってはいませんか?

 

「カウンセリングなんてまだ受ける段階じゃないだろう」
「自分の問題だから、自分で解決しなきゃ」

 

日本人にはこう考える人が多いようです。でも、欧米ではもっと気楽です。

 

「ハーイ! 先生、また来たわよ」
「ちょっとドクター、僕の話を聞いてくれよ」

 

こんな感じで、気軽に生活上の心配ごとを相談しに来ます。これまで友達の重要性をいろいろ述べてきましたが、欧米ではそういうときにこそカウンセラーが活用されています。

 

どうやら私たち日本人は、自分の問題や悩みは自分で解決するべきだと考えがちな人種のようです。「わざわざメンタルケアが必要になるなんて、自己管理ができていない証拠」だと捉えるのです。

 

ところが、欧米では正反対。

 

「自己管理をするためには、メンタルケアが必要なんだ」

 

と考えます。「メンタルケアなしで、どう自己管理をするの?」と言う人もいます。

 

日本のカウンセリングには、ひとりでずっと苦しんで、ギリギリのところまでなってから訪れるという切羽詰まった患者さんたちがたくさんいます。まるで重い病気にならないとカウンセリングには行ってはいけない、という不文律があるかのようです。

 

でも、みなさんもお肌が荒れたときにエステに行ったり、肩が凝ったときにマッサージに行ったりしますよね。

 

それと同じ感覚で、心がちょっと強張っているなと思ったら、気楽にカウンセリングを活用すればいいと思うのです。体のケアと同じように、心のケアも考える。

 

コロナ禍では、感染予防が心の健康より重視され、また感染を恐れて精神科やカウンセリングルームの受診を控える人も多いようです。

 

実際、経済的困難や飲み会の減少、そして自粛生活で日光に当たらないためにセロトニンという神経伝達物質が減っているなど、コロナ鬱はかなりの数でいるのではないかと予想されます。

 

しかし、現実に精神科に来られるのは、私の感覚ではかなり鬱が重くなってからです。ほかの精神科の先生に聞いても似たようなことをおっしゃっていました。

 

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和田秀樹こころと体のクリニック院長
精神科医

1960 年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、国際医療福祉大学心理学科教授。川崎幸病院精神科顧問。和田秀樹こころと体のクリニック院長。「I&C キッズスクール」理事長。一橋大学経済学部非常勤講師。27 歳のときに執筆した『受験は要領』がベストセラーになり、緑鐵受験指導ゼミナール創業。主な著書に『自分が高齢になるということ』(新講社)、『年代別 医学的に正しい生き方』(講談社)、『孤独と上手につきあう9つの習慣』(だいわ文庫)、『「人生100年」老年格差』『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)などがある。

著者紹介

連載精神科医が教える「孤独」と上手につきあう作法

※本連載は精神科医である和田秀樹氏の著書『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

孤独と上手につきあう9つの習慣

孤独と上手につきあう9つの習慣

和田 秀樹

大和書房

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