「お互いに依存し合っている」という認識
ところで、本音というものには「アイツ、ぶっ殺してやりたい」というような、ちょっと人には言えない悪いものもありますが、いい本音もあります。
たとえば、いじめられている人を見たときに「いじめはよくない」と思うのも本音なら、差別的な発言を聞いて「そういうことを言うのはやめようよ」と思うのも本音です。
とくに人の悪口で盛り上がっているような場では、「そういうこと言うのはやめようよ」などと言うと、「きれいごとを言うな」と反発が返ってきそうで、なかなか言い出せないということがありますよね。
でも、いい本音も悪い本音も両方忌憚なく言えるのが親友です。
「こんなこと言ったら、ウザがられるかな」
「自分はそうは思わないけど、そう言ったら嫌われるかな」
そんなふうに遠慮して、言えること・言えないことを秤にかけたりしなくてもいい関係性が理想です。お互いに受け入れ合っている人同士では、同調圧力というものはあまり働かないものなのです。
あなたも自分にとって大事な人に対しては、「お互いに依存し合っている」という認識を持ちましょう。それが相手を大事にすることにつながり、よい関係性を育む第一歩なのです。そういう相手を見つけるためにも、予定調和でない、あなたの本音をぶつけてみて、他人とかかわってみましょう。
和田 秀樹
和田秀樹こころと体のクリニック 院長