成長に終止符…東京「縮小時代」が始まる【住宅ジャーナリストの解説】

人口減少、少子高齢社会……日本が抱える深刻な諸問題は、首都東京でも例外ではありません。「高度経済成長」「失われた20年」を経て、30年後の東京はどのように変化するのでしょうか、みていきましょう。※本記事は、榊 淳司氏の著書『ようこそ、2050年の東京へ』から一部を抜粋・再編集したものです。

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タワマンは増えたが…30年間変わらない東京の風景

正直に言ってこの30年で、東京の外形的な都市風景はあまり変わったとは思わない。

 

確かに、建物はどんどん新しくなっている。超高層建築も増えた。特にタワマンと呼ばれる20階以上の超高層マンションは、それこそ雨後の筍(たけのこ)のごとく林立した。

 

しかし、基本的には街の風景が見違えるように変わったとは思えない。特に、山手線の少し外側あたりはそうではないか。古いビルが新しく建て替わり、背丈がだいぶ伸びた。その程度にしか変わっていない街が多いように思う。

 

1990年時点でほぼ完成していた東京のインフラ

 

東京の交通インフラの中心である地下鉄も同様だ。実のところ、東京の地下鉄は1990年時点でほぼ完成状態にあったと言っていい。地下鉄で行けない場所はほとんどなかったのだ。

 

残されていた数少ない「陸の孤島」を救済するために作られたのが、東京メトロの南北線であり、都営地下鉄の大江戸線であった。だから、1990年からの30年で新たに開業した主な地下鉄は、以上の2路線の他には副都心線や半蔵門線の延伸など、ほんのわずかしかない。

 

道路は少しずつではあるが、変わってきている。ただし、この30年の間に新しい自動車専用道が敷設されたのは、ほとんどが郊外エリアである。代表的なものは東京外環道路などだ。「東京」という名称になっていても、他県を通る箇所が大部分だったりする。

 

山手線の内側では、地上の道路を拡幅したり延長したりする計画が徐々には進んでいる。しかしそれも、この30年でドラスティックに変わったところは少ない。代表的な計画では、外苑西通りの延長工事、あるいは築地市場の豊洲移転が揉めたことで、計画が大幅に狂ったマッカーサー道路(環状2号線)などである。

 

東京という街のハードは、1990年時点である程度完成していた。そこから2020年までの30年は、足りない部分を補完しながら、老朽化した建物をスクラップ&ビルドしてきた、というところではなかっただろうか。

 

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住宅ジャーナリスト

1962年、京都府生まれ。同志社大学法学部および慶應義塾大学文学部卒。1980年代後半から30年以上、マンションの広告・販売戦略立案に携わる。その経験を生かし、購入者側の視点に立ちながら、日々取材を重ねている。著書に『マンションは日本人を幸せにするか』(集英社新書)、『マンション格差』(講談社現代新書)、『すべのマンションは廃墟になる』(イースト新書)などがある。

著者紹介

連載人気住宅ジャーナリストが分析!土地・不動産価値の観点からみる「未来の東京」

ようこそ、2050年の東京へ

ようこそ、2050年の東京へ

榊 淳司

イースト・プレス

東京にとって1960年から90年は、「高度経済成長」による拡大・発展の30年間だった。それから現在までは「失われた20年」を経て、停滞する30年間を過ごした。では、成長を期待できない日本において、首都・東京が歩むこれからの…

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