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城北エリアは2050年も「住みやすい」エリアだが……
板橋区や練馬区は劇的にマンション価格が下がりそうだ。特に生産緑地が多くある練馬区は、2020年代の中〜後半に安価なマンションが大量に供給される可能性がある。
生産緑地とは、行政の政策的には住宅などを建てるための市街化区域にありながら、元が農業用地であったので固定資産税などが農地並みに優遇されている土地のこと。これが練馬区には178ヘクタールある。東京23区では最多である。
約178ヘクタールとは178万㎡であり、容積率100%としても75㎡のマンションが約2万4000戸供給できる。ちなみに、2019年における首都圏での新規マンション供給戸数は約3万1000戸である。2020年は3万戸を下回るのは確実。
練馬区1区だけで、首都圏の年間供給戸数に匹敵するマンション用地が、マンションデベロッパーなどに売却される可能性があることになる。
2050年頃には、練馬区内では生産緑地跡地に大量に建てられたマンションが、中古となって市場をだぶつかせているだろう。
今の貨幣価値で言うと、築25年の70㎡3LDKが1500万円程度で買えるようになるのが練馬区だ。低所得者や単純労働に勤しむ外国人が住むエリアに変貌する予感がする。
板橋区は現在も、便利なわりにはなぜかマンションが割安なエリアだ。こういった位置づけは、2050年になっても変わらないような気がする。
今でも、東京23区内の通勤至便な場所でマンションを購入しようと考えた場合、板橋区内の都営三田線沿線はかなりの狙い目エリアだ。「大手町」へ直通できるアクセスであるのに、マンションの価格は埼玉県並みに安い。
「なぜそうなのか?」と聞かれても困るのだが、一つ言えることとして、三田線は延伸計画があるものの、今は「西高島平」が終着駅でその先がない。どん詰まりになっている沿線の不動産価値はあまり高く評価されない。
これは都営浅草線の「馬込」や「西馬込」などにも言えることである。