通常、マンションの名称にはほとんど地名や駅名が使われます。しかし、ごくたまに地名も駅名もまったく使われていない、名称だけでは「どこに建っているのかわからない」マンションがあると、住宅ジャーナリストの榊淳司氏はいいます。地名・駅名がマンションの名前に使われない「嫌われている街」のランキングをみていきましょう。

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マンションの名称に使われていない「嫌われ駅」たち

マンションデベロッパーというのは、分譲する物件の名称に異常なこだわりを見せる場合が多い。名称によってそのマンションの売れ行きが左右されると、本気で考えているのだろう。

 

マンションの名称には、ほとんど地名や駅名が使われる。しかし、ごくたまに地名も駅名もまったく使わない場合もある。例えば東京都の某所に立地する「ミッドタワーグランド」というタワーマンションが、2019年頃に分譲されていた。この名前だけだと、一般の方はどこに出来るマンションかわからないはずだ。

 

この物件のアドレスは「東京都中央区月島」。最寄り駅は地下鉄有楽町線の「月島」駅である。であれば、どこかに「月島」という地名を使えばわかりやすいはずだが、なぜそうしないのか?

 

本当のところは、このマンションの名称を決めた売主企業の担当責任者に聞いてみないとわからないが、「月島」はもんじゃ焼きで知られる庶民的な街だ。その下町イメージの地名は、最先端の機能とデザイン、設備などを揃(そろ)えたタワーマンションとうまくマッチングしないと考えたのではなかろうか。

 

この物件よりも3年ほど早く分譲された月島アドレスのタワーマンションも、「月島」を名称に使っていなかった。

 

ちなみに月島と隣接する佃エリアでも、30年以上前から大掛かりな再開発が行われ、今ではタワーマンションが林立しているが、その一帯の街を表すネーミングには最寄り駅である「月島」も、地名である「佃」も使われず、「大川端リバーシティ21」という名称が付けられている。

 

私は東京23区と川崎市のほぼ全域で、供給される新築マンションの建設地をくまなく見て回る。そして物件別に資産価値を評価するレポートを作成して、ネット上でダウンロード販売を行っている。だからマンションの名称は必ずチェックするのだが、いろいろと気づかされることがある。

 

その一つは、メジャーな路線のよく知られた駅名でも、マンションの名称にはほとんど使われない場合があるということだ。そこで、山手線内のJRや地下鉄路線の主要な駅で、どこがマンションの名称にあまり使われていないのか、「ワースト10」を抽出調査してみた。

 

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※本連載は、榊 淳司氏の著書『ようこそ、2050年の東京へ』から一部を抜粋・再編集したものです。

ようこそ、2050年の東京へ

ようこそ、2050年の東京へ

榊 淳司

イースト・プレス

東京にとって1960年から90年は、「高度経済成長」による拡大・発展の30年間だった。それから現在までは「失われた20年」を経て、停滞する30年間を過ごした。では、成長を期待できない日本において、首都・東京が歩むこれからの…

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