膠着状態の遺産分割協議…先妻の子「もっと時間を稼げたら」と考えた、怖い理由【相続のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

父親のミスで無効となった遺言書。そこには「長男に財産の4割を」との記載がありましたが、継母とその子たちは納得せず、遺産分割は膠着状態に。そのまま15年もの時間が経過しましたが、父親の意思通りに財産を相続したいと考える長男の胸に、ある思いがよぎります。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

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父の逝去から15年、いまだに遺産分割が終わらないワケ

今回の相談者は60代男性の森本さんです。15年前に他界した父親の相続手続きが未だ膠着状態になっているという件で相談に訪れました。

 

 

森本さんの父親の財産は都内の自宅と賃貸ビルで、賃貸ビルは年間500万円以上の家賃収入があります。

 

父親は自筆の遺言書を用意していたのですが、形式に不備があることから、無効となってしまいました。

 

父親が遺言書を残したのは、複雑な家族関係が理由でした。父親の相続人は、先妻の子である森本さん、父親の後妻(森本さんの継母)と、後妻の子2人(森本さんの異母弟・妹)の合計4人です。森本さんの母親は早くに亡くなり、森本さんは継母に育てられました。母親違いの弟・妹とも関係は良好でした。

 

無効になった遺言書には、先妻の子である森本さんに、自宅をはじめとする財産の4割を相続させる旨記載されていたほか、継母が4割、弟と妹が1割ずつとなっています。

 

森本さんは、無効となった遺言とはいえ父親の意思であるとして、記述通りに分割しようと提案しましたが、継母と弟・妹から反発されたことで協議が滞り、そのままになってしまったのでした。

 

そこから15年もの月日が流れ、いい加減どうにかしなくてはと思い立ち、筆者の事務所に訪れたのです。

 

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株式会社夢相続代表取締役 公認不動産コンサルティングマスター 
相続対策専門士

京都府立大学女子短期大学卒。PHP研究所勤務後、1987年に不動産コンサルティング会社を創業。土地活用提案、賃貸管理業務を行う中で相続対策事業を開始。2001年に相続対策の専門会社として夢相続を分社。相続実務士の創始者として1万4400件の相続相談に対処。弁護士、税理士、司法書士、不動産鑑定士など相続に関わる専門家と提携し、感情面、経済面、収益面に配慮した「オーダーメード相続」を提案、サポートしている。

著書65冊累計58万部、TV・ラジオ出演127回、新聞・雑誌掲載810回、セミナー登壇578回を数える。著書に、『図解でわかる 相続発生後でも間に合う完全節税マニュアル 改訂新版』(幻冬舎メディアコンサルティング)、『図解90分でわかる!相続実務士が解決!財産を減らさない相続対策』(クロスメディア・パブリッシング)、『図解 身内が亡くなった後の手続きがすべてわかる本 2021年版 (別冊ESSE) 』(扶桑社)など多数。

◆相続対策専門士とは?◆

公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp) 認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。

「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。

著者紹介

連載相続実務士発!みんなが悩んでいる「相続問題」の実例

本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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