なぜスティーブ・ジョブズは非常識なのに名経営者になれたのか (※画像はイメージです/PIXTA)

スティーブ・ジョブズにかぎらず、優れた経営者は「常識」「業界の慣習」とは違ったものの見方をするそうです。ライバルと同じことをしていたら、会社を成長させることができないからです。彼らは普通の人と何が違うのでしょうか。※本連載は精神科医である和田秀樹氏の著書『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

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みんなと同じ思考と行動では「負ける」

■「非常識」は「常識」より強い

 

「美しい女性を口説こうと思ったとき、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい? そう思った時点で君の負けだ。ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に何を望んでいるのかを見極めることが重要なんだ」

 

これはアップルの創業者のひとり、スティーブ・ジョブズの言葉です。一見、なんてことのない恋愛術のように聞こえますが、よく考えると面白い発見があります。

 

まず、「バラの花を贈れば、女性は喜ぶだろう」という通説が本当に正しいのかどうかということ。

 

あなたからバラの花を贈られた女性は喜んでくれるかもしれません。でも、それはあなたの好意を喜んでいるだけかもしれないのです。もっと別のものを贈ったほうが、よりその女性を喜ばせることができるかもしれません。

 

そして、ライバルより上に行こうと思ったら、同じような発想をしていてはダメなんだということ。バラの花10本より15本のほうが豪華ですが、同じ発想の延長線上にあることには変わりがありません。

 

常識に従えば従うほど、あなたの行動は人を驚かせるような意表を突いたものではなくなります。凡庸でありふれた行動になってしまう。それでは女性の記憶に印象を残すことはできません。

 

みんなと同じ行動をとったら「負ける」のです。

 

ある広告ディレクターに聞いた話ですが、私も大ファンである吉永小百合さんに出演してもらって、ひとつのCMを作ったそうです。

 

できあがったCMは映像も美しく、申し分のない芸術性の高さで、誰に聞いても欠点というものが見当たらなかった。広告の賞まで受賞しました。

 

ところが、そのCMの社会的インパクトはゼロに等しかったそうです。

 

誰もが認め、誰もが欠点を見出せないようなものは、要は当たり障りのないもの、毒にも薬にもならないものなのです。記憶にも残らなくなってしまう。

 

誰からもクレームの来ないテレビ番組が、つまらないものにしかならないのと同じです。日常的にクレームを言う人は、どんなによい番組であっても、クレームを言うのだそうです。そんな一部の人に振り回されて、つまらないものを作るなんてバカげていませんか。

 

和田秀樹こころと体のクリニック院長
精神科医

1960 年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、国際医療福祉大学心理学科教授。川崎幸病院精神科顧問。和田秀樹こころと体のクリニック院長。「I&C キッズスクール」理事長。一橋大学経済学部非常勤講師。27 歳のときに執筆した『受験は要領』がベストセラーになり、緑鐵受験指導ゼミナール創業。主な著書に『自分が高齢になるということ』(新講社)、『年代別 医学的に正しい生き方』(講談社)、『孤独と上手につきあう9つの習慣』(だいわ文庫)、『「人生100年」老年格差』『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)などがある。

著者紹介

連載精神科医が教える「孤独」と上手につきあう作法

孤独と上手につきあう9つの習慣

孤独と上手につきあう9つの習慣

和田 秀樹

大和書房

人間はそれほどストレス耐性の強い生きものではないという。 孤独や疎外感がいかに人を生きにくくさせているか、ストレスの原因になっているか。実際、病気にはなっていないけれども自分の居場所で安心してくつろげないという…

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