(※画像はイメージです/PIXTA)

スティーブ・ジョブズにかぎらず、優れた経営者は「常識」「業界の慣習」とは違ったものの見方をするそうです。ライバルと同じことをしていたら、会社を成長させることができないからです。彼らは普通の人と何が違うのでしょうか。※本連載は精神科医である和田秀樹氏の著書『孤独と上手につきあう9つの習慣』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。

常識から超越したところに成功はある

■周囲の視線を気にしない

 

スティーブ・ジョブズにかぎらず、優れた経営者は「常識」「業界の慣習」とは違ったものの見方をします。ライバルと同じことをしていたら、会社を成長させることも、生き残らせることもできないからです。

 

そうした姿勢は、しばしば「異端児」「独裁者」などと形容され、批判されたり、そっぽを向かれたり、悪口を言われたりします。

 

でも、そんなことにはまったく臆した姿勢を見せないのも、優れた経営者のひとつの資質です。

 

ジョブズ自身、「異端児」であり「独裁者」でした。彼は若いころ、アタリ社で働いているとき、滅多にシャワーを浴びず、社内を裸足で歩きまわっていたそうです。あまりに不潔だということで、夜間勤務に異動させられてしまったほどだとか。

 

このことひとつ取っても、彼が周りからどう見られるかなんてまったく怖れていなかったということがわかるでしょう。

 

まあ、あまり不潔すぎるのは、健康上おすすめできることではありませんが、ここで重要なのは「周囲の視線をまったく気にしない」というマインドの部分です。

 

アップルを立ち上げたあとも、従業員への要求が厳しいために非常に怖れられており、誰も近づこうとはしなかったそうです。ランチタイムはいつもひとり。つまり、嫌われていた。

 

彼の性格を形容する言葉はたくさん残っています。傲慢。独善的。自己中心的。協調性がない。気性が激しい。破天荒などなど。これほどネガティブなことばかり言われる人も珍しいでしょう。

 

そんなふうだったので、アップルでは創業者なのにもかかわらず、クーデターが起き、「経営を混乱させる」ということで追放されてしまいます。

 

しかしその後、アップルが業績不振になったため、見事CEOに返り咲き、落ち目になっていたアップルをその独創性で立て直しました。

 

亡くなったあとも、傑出した人物であったということで、いまだにことあるごとに世界中で話題にされています。

 

彼は「嫌われている」というのがわかっていても、自分のやり方を変えませんでした。常識や慣習とは違うものの見方をし、どれだけ批判されようが、自分のやりたいようにやりました。

 

周りの人にどう見られるかより、自分のやり方のほうを大切にしたのです。

 

それがアップルに成功をもたらしました。

 

同じことは、私たちの日常生活についても言えます。人と同じことを言っていたら、たいして大きな印象は残せませんが、人とはちょっと違うことを言うと、興味を持ってもらえたり、面白いと評価されたりするのです。

 

 

和田 秀樹

和田秀樹こころと体のクリニック 院長


 

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