(※写真はイメージです/PIXTA)

住宅金融支援機構が公表しているデータによると、現在、25人に1人が住宅ローンの返済に問題を抱えているとのこと。ここでは、クラッチ不動産株式会社代表取締役・井上悠一氏が実際に受けた滞納問題の「相談事例」について解説します。

 

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妻名義で組んだ住宅ローン…離婚後、恐ろしい事態に

Cさん〈寝屋川市在住/職業:会社員/年齢:50代〉

 

○不動産…………………中古戸建

 

○住宅ローンの残額……2300万円程度

 

○固定資産税の滞納……35万円程度(差押えあり)

 

○実勢価格………………1300万円程度

 

Cさんは自分の名義で、単独で住宅ローンを組んで返済されていました。しかし、離婚により夫が自宅から出ていったため、Cさんの収入だけでは、毎月11万円の住宅ローンを支払えなくなりました。

 

固定資産税の滞納が3ヵ月あったため差し押さえられてしまい、「住宅ローン滞納問題相談室」にご相談に来られました。

 

Cさんの夫は自営業で住宅ローンが組めなかったため、妻であるCさん名義で住宅ローンを組んだ経緯があり、「夫が主導して購入したのに……」という憤りがありました。

 

もっとも、夫は離婚してしまうと、保証人でもなければ住宅ローンについてはなんの関係もない人となってしまいます。任意売却しても1000万円以上住宅ローンが残ってしまうオーバーローンであることが分かりました。

 

お子さまがいらっしゃいましたが、夫が購入を進めた自宅には愛着がなく、そのまま住み続けることを希望されていませんでしたので、通常の任意売却をし、その後、自己破産して再スタートすることを勧めました。

 

引越代と新しい住まいの賃料を支払い、そのうえ、住んでもいない家の住宅ローンを支払い続けることはできないと判断されました。任意売却の手続きを進め、無事、1400万円で債権者の応諾も得られました。

 

固定資産税の滞納による差押えがありましたが、債権者と交渉し、30万円で差押えを解除してもらうことで合意が取れ、無事に決済をすることができました。

次ページ「不動産投資失敗」で自己破産に追い込まれた30代

※本連載は、井上悠一氏の著書『あなたを住宅ローン危機から救う方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

あなたを住宅ローン危機から救う方法

あなたを住宅ローン危機から救う方法

井上 悠一

幻冬舎メディアコンサルティング

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