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妻名義で組んだ住宅ローン…離婚後、恐ろしい事態に
Cさん〈寝屋川市在住/職業:会社員/年齢:50代〉
○不動産…………………中古戸建
○住宅ローンの残額……2300万円程度
○固定資産税の滞納……35万円程度(差押えあり)
○実勢価格………………1300万円程度
Cさんは自分の名義で、単独で住宅ローンを組んで返済されていました。しかし、離婚により夫が自宅から出ていったため、Cさんの収入だけでは、毎月11万円の住宅ローンを支払えなくなりました。
固定資産税の滞納が3ヵ月あったため差し押さえられてしまい、「住宅ローン滞納問題相談室」にご相談に来られました。
Cさんの夫は自営業で住宅ローンが組めなかったため、妻であるCさん名義で住宅ローンを組んだ経緯があり、「夫が主導して購入したのに……」という憤りがありました。
もっとも、夫は離婚してしまうと、保証人でもなければ住宅ローンについてはなんの関係もない人となってしまいます。任意売却しても1000万円以上住宅ローンが残ってしまうオーバーローンであることが分かりました。
お子さまがいらっしゃいましたが、夫が購入を進めた自宅には愛着がなく、そのまま住み続けることを希望されていませんでしたので、通常の任意売却をし、その後、自己破産して再スタートすることを勧めました。
引越代と新しい住まいの賃料を支払い、そのうえ、住んでもいない家の住宅ローンを支払い続けることはできないと判断されました。任意売却の手続きを進め、無事、1400万円で債権者の応諾も得られました。
固定資産税の滞納による差押えがありましたが、債権者と交渉し、30万円で差押えを解除してもらうことで合意が取れ、無事に決済をすることができました。