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「任意売却後」借金を整理せずに放置すると…
任意売却(※)後の住宅ローンの残金について、債権者との交渉で、毎月1~3万円を返済していくことになったとして、返済が滞ったまま放置してしまった場合はどうなるのでしょうか?
※ 任意売却…ローンが残っている状態で自宅を売却し、売却した金額で住宅ローンの残金を返済する方法。住宅ローンの滞納が続き、支払えなくなった際によく取られる方法。
まず、債権者から住宅ローンを滞納したときと同じように、電話や書面で催告され、後日、自宅に催促状が届きます。
次に、滞納を何度も繰り返すと、債権者は最終手段として、預金の差押えや、ほかに不動産がある場合はその不動産の差押えを行います。
もっとも、銀行預金があったり不動産があったりする場合には差押えをすることができますが、預金も不動産も何もないという状況であれば、債権者は何もすることができません。まさに担保を失った状況ですので、借金のかたにするものがないのです。
財産を隠し持っているのにわざと払わない場合などは、債権者から「破産」の申立てをされる場合もあります。これは、「自己破産」ではなく「債権者が申立てる破産」で、かなりイレギュラーですが、時々用いられます。
任意売却後の借金を放置して亡くなったらどうなる?
では、任意売却後の住宅ローンの残金を滞りなく返済し続けている途中で、借主が亡くなった場合はどうなるのでしょうか。
自宅や預金などの資産だけでなく、借金や保証債務などの負債も相続されることになります。たまに、借金は相続しなくても構わないと思っている方がいますが、それは大きな間違いです。亡くなられた方に借金しかなくても、相続は発生するのです。
ただし、法律は無情ではありません。相続をするかどうかを相続人の意思に委ねるため、3つの方法が用意されています。
資産も負債もまるごとそのまま相続する「単純承認」と、相続した資産の範囲で負債を返済する「限定承認」、そして資産も負債もすべて相続しない「相続放棄」の3つの方法です。