(※写真はイメージです/PIXTA)

住宅金融支援機構が公表しているデータによると、現在日本では、25人に1人が住宅ローンの返済に問題を抱えていると分かっています。住宅ローン以外に借金が無ければほかに取るべき方法もありますが、そうでなければ自己破産を検討する必要があります。ここでは、クラッチ不動産株式会社代表取締役の井上悠一氏が、自己破産に関する質問へ回答・解説していきます。

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自己破産をすると、職業・旅行に制限がかかるが…

Q.自己破産をすると日常生活で何かしらの制限はありますか?

 

A.破産手続が開始されると、一定の職業に就くことができなくなります。

 

よく知られているものとして、保険の外交員、警備員、宅地建物取引主任者、旅行業務取扱管理者、弁護士や司法書士、税理士などがあります。この職業制限は免責許可が確定すれば解除されます。

 

管財事件(※)となった場合は、財産の管理・処分権が破産管財人に移るだけでなく、居住も制限されますので、裁判所の許可がなければ引っ越しはもちろんのこと、2泊以上の旅行や出張などができなくなります。

 

※ 自己破産には「管財事件」「同時廃止」の2種類が存在する。破産手続の開始が決まると、破産者の財産を管理・処分するために「破産管財人」が選任されるが、このように管財人が選任される破産事件を管財事件という。お金に換える財産がない場合は、破産手続の開始決定と同時に破産手続を終了する「同時廃止」となる。

 

また、破産者宛ての宅配便などを除く郵便物はすべて破産管財人に転送されます。居住制限や郵便物の転送は破産管財人の調査や破産手続を円滑に進めるためのものなので、破産手続終了までには解除されます。

 

Q.自己破産をしたことを周囲に知られることはありますか?

 

A.自己破産では、破産手続開始決定後と免責許可決定後の2回、名前や住所などが官報に公告されますが、一般の方が官報を目にする機会はないので、官報に掲載されたからといって心配をする必要はありません。

 

ただ、闇金などが、官報を見て、お金を貸しますよといったダイレクトメールを送り付けてくることがありますので、誘いに乗らないよう十分に注意してください。

次ページ「差押えが禁止されている財産」がある…テレビは?

※本連載は、井上悠一氏の著書『あなたを住宅ローン危機から救う方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

あなたを住宅ローン危機から救う方法

あなたを住宅ローン危機から救う方法

井上 悠一

幻冬舎メディアコンサルティング

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