認知症気味の母は、ふらりと二世帯住宅を出て…長女が驚いた「意外な居場所」【相続のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

父が旅立ち、母をひとりにしておけない長女夫婦は、二世帯住宅を建てて同居をスタートしました。しかし、母は突然家を出て、ひとりでマンション暮らしをはじめます。その後、母親が亡くなったことで相続が発生したのですが…。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

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二世帯で同居の母親…人知れず不満を募らせていた?

今回の相談者は60代女性の福田さんです。先月、90歳の母親が亡くなり、妹と2人で相続の手続きをすることとなったのですが、遺産分割の方法に悩み、筆者の事務所を訪れたのでした。

 

福田さんの母親の財産は、終の棲家となった自宅マンション、福田さん夫婦が暮らす二世帯住宅の土地と建物3分の1、そして預金1500万円です。基礎控除の金額を超えるため、相続税の申告が必要です。

 

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じつは福田さんの母親は、数年前までは福田さん夫婦と二世帯住宅で同居していました。福田さんの父親が亡くなった際、母親は広い実家にひとりで暮らすのを不安がったため、福田さん夫婦は二世帯住宅での同居を決意。母親は実家を売却し、福田さん夫婦とお金を出し合って土地を買い、二世帯住宅を建てたのでした。

 

母親は1階に、福田さん夫婦は2階に住み、15年ほど円満に生活していたのですが、ある日を境に母親が一緒に食事することを拒否するようになりました。そんな日がしばらく続いたあと、母親は突然家から姿を消しました。その後、引っ越し業者が入り、母親の荷物を運び出しました。

 

あとから周囲の人に聞いた話では、共働きの福田さんが日中家を留守にすることから、面倒を見てもらえないと不満を口にしていたというのです。

いつの間にか、妹が暮らす街のマンションを購入

母親は、妹の自宅近くの駅前にマンションを購入していました。どうやら、妹が手配したようです。

 

福田さんは、母親が同居に不満を抱いていることに納得できませんでした。なぜなら、食事作りも病院の送迎も、福田さん夫婦がすべて行っており、福田さんから見れば、母親は「おんぶにだっこ」状態だったからです。

 

「ですが、いま思えば、母親の思い込みは認知症の兆候だったのかもしれません…」

 

福田さんは面談中、ポツリとつぶやきました。

 

母親は、マンションに引っ越してから次第に認知症の症状が顕著になり、福田さん夫婦が気を揉んでいるうちに亡くなってしまいました。

 

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株式会社夢相続代表取締役 公認不動産コンサルティングマスター 
相続対策専門士

京都府立大学女子短期大学卒。PHP研究所勤務後、1987年に不動産コンサルティング会社を創業。土地活用提案、賃貸管理業務を行う中で相続対策事業を開始。2001年に相続対策の専門会社として夢相続を分社。相続実務士の創始者として1万4400件の相続相談に対処。弁護士、税理士、司法書士、不動産鑑定士など相続に関わる専門家と提携し、感情面、経済面、収益面に配慮した「オーダーメード相続」を提案、サポートしている。

著書61冊累計53万部、TV・ラジオ出演125回、新聞・雑誌掲載699回、セミナー登壇567回を数える。著書に、『図解でわかる 相続発生後でも間に合う完全節税マニュアル 改訂新版』(幻冬舎メディアコンサルティング)、『図解90分でわかる!相続実務士が解決!財産を減らさない相続対策』(クロスメディア・パブリッシング)、『図解 身内が亡くなった後の手続きがすべてわかる本 2021年版 (別冊ESSE) 』(扶桑社)など多数。

◆相続対策専門士とは?◆

公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp) 認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。

「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。

著者紹介

連載相続実務士発!みんなが悩んでいる「相続問題」の実例

本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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