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「生きがい」が希薄になる40代
▼浅く生きる人=生きがいを模索しない
この本連載の大きなテーマがこの「生きがい」です。
国籍、性別、年齢、時代に関係なく人生でもっとも大切なことが「生きがい」だと思います。
あぁ、生きている! という心からの喜び。
存在理由、生存理由、自分という存在がありがたいという思い。
人の役に立てている充足感。
自由を満喫する解放感。
人とつながっているという感動。
なにげないものへの深い関心、好奇心。
昨日よりも少しでも成長を感じるという安心感。
世の中にはさまざまな生きがいのモトがあります。
一方、生きがいを失わせるものとして、
愛する人を失うこと。
営々と築いたものが崩れ去ること。
夢を奪われること。
憎む人とともに過ごさないとならないとき。
不治の病に冒されたとき。
人から存在を無視、疎外されたとき。
生きがいというものは誰かが教えてくれたり、勉強したりして身につくものではありません。ましてやお金で買えるものでもありません。
自分の心の奥底から湧き出す泉のような感覚でしょうか。
40代というのはじつに微妙な年頃で、この「生きがい」が希薄になってしまいがちになります。私は今こそ「生きがい」をそれぞれが模索する時代だと感じています。
本当の喜びはなになのか。
本当に愛する人は誰なのか。
本当の夢はなになのか。
本当に暮らしたい場所はどこなのか。
いよいよ我々は歴史の転換点に立ち、真剣にそして本質的な「生きがい」を求めないといけないときになりました。
あなたの「生きがい」はなんですか?
人生で起こることは深い意味がある
▼浅く生きる人=出来事の意味を見出せない
人生で起こることは深い意味がある──。この言葉を理解するには40年も生きてこないとわからないものです。
多くの書物に書かれていることですが、同様に「すべては今のために起こったこと」なども心に響きます。
これはじっさいにたくさんの経験を積んで、あらためて振り返ったときにしみじみと感じる心境なのです。
ハンセン病は、以前は「らい病」と呼ばれて不治の病と恐れられていました。
感染すると皮膚や神経に症状があらわれ、皮膚はくずれ、神経をやられるので視力や手足の自由を失うなどとてもつらい病気でした。
その恐ろしさに、なかには家族からも縁を切られて隔離されたり、そうとう激しい偏見をもたれてひどい対応を受けた人もいて、患者たちのほとんどは「もう人生が終わった」と思う人が多かったそうです。