40代にもなると、自分の心を乱す執着はなにか?ということへの気づきが大事になってきます。執着を手放していくと、生き方が楽になることが多いという。※本連載は松尾一也著『40代から深く生きる人、浅く生きる人』(海竜社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

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人間学という学問の頂上で出逢うものの正体

▼浅く生きる人=根源的信頼と出逢えていない

 

山の登山ルートはいくつもあります。

 

ご存じ富士山には、主な登山ルートが6つもあります。

 

1.富士山吉田ルート
2.富士山富士宮ルート
3.富士山御殿場(ごてんば) ルート
4.富士山須走(すばしり)ルート
5.富士山プリンスルート
6.富士山吉田口登山ルート

 

それぞれのルートには難所や特徴があって、見渡す景色も違ってきます。ただ、いずれもとてもきつい道のりを長時間登り続けるわけです。そしてどのルートを登ってきても、頂上では疲労困憊しながらも意識の覚醒を覚えます。

 

富士山登山の例を挙げましたが、私なりに32年間、学び続けた人間学という学問の頂上で出逢うものの正体は「感謝と祈り」に尽きると思います。

 

宗教、哲学、人間学、諸々の書籍や講演録、あらゆるもののコンクルージョン(結論)は感謝、そして祈りを伝えています。

 

それこそ、無数の人生という登山ルートをおのおのが登りつめて、最後に頂上で出逢い、気づくことは「ありがとう」と「根源への祈り」を感じている気がします。

 

これは人種、性別、国籍、時代を問わず共通した理念です。

 

その根源的な信頼(Radical trust)を得られたとき、人は本当の幸せを感じる生き物なのです。「あぁ、生まれてきてよかった」と思える回数が、人生の本当の成績表なのかもしれません。

一度執着の調整をして身軽になる

▼浅く生きる人=つかんだものは離さない

 

「世の中は何か常なる飛鳥川 昨日の淵ぞ今日は瀬になる」古今和歌集
(この世で一体なにが常に同じ状態であるだろうか、飛鳥川でさえも昨日は深い淵であったのに、今日は浅い瀬になっている)
 
40代はまだまだ若いので諸行無常観はわかないものでしょう。

 

そのバイタリティーでなんにでも挑戦していってもらいたいものです。

 

ただ、夢を抱き、大いなるチャンレンジをするかたわらで、いやおうなしに習得せざるを得ないことがあります。それは、執着を手放すということです。

 

人間、煩悩がたくさんあるのであれも欲しい、これもしたい、これも叶えたいとてんこ盛りになるものです。

 

ネットやテレビを見ていると、世界各地のリゾート地のレポート、車の新車情報もウットリさせますし、夜景のキレイな広いマンション、はたまた緑に囲まれた別荘……、とやりたいことや欲しいものは限りありません。

 

私もバブル期にオーストラリアの美しいヘイマン島を訪れて、コテージをほぼ貸し切りで、昼はマリンリゾート、夜はワインを飲みながらのイタリアンという、夢のような思い出があります。

 

今も長期休暇をとったり、貯金を使ってまた行ける気もしますが、現実はなかなか自由に行けないものです。

 

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40代から深く生きる人、浅く生きるひと

40代から深く生きる人、浅く生きるひと

松尾 一也

海竜社

気がつけば最近、たのしいと感じる瞬間がなくなっている。モチベーションがあがらない、人間関係に疲れている。就寝する頃には自分が完全に電池切れ、燃料切れになっている……。 最近の自分、ヤバくないっ!? それを特に…

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