(※写真はイメージです/PIXTA)

店舗にとって非常に重要な広告手段である「看板」。カーネルサンダースやペコちゃんをはじめ、キャラクターは強いマーケティング効果をもっていますが、「小さなイベントだから」と有名キャラクターを勝手に使用してしまう例があるようです。看板製作会社「有限会社オチスタジオ」の代表・越智一治氏が解説していきます。

 

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ケンタッキーに見る…キャラクターのマーケティング力

社長など実在の人が出る看板ほどのインパクトはありませんが、イラストやキャラクターを使う方法も看板のインパクトを高める効果が期待できます。

 

例えば、ケンタッキーフライドチキンのカーネルサンダース像は知名度の高いキャラクター看板の一つです。ポンタカードが使える店にはポンタのPOPなどがありますし、家電量販店にはダイキンのぴちょんくんやソフトバンクの犬のお父さんを使った看板があります。昔から親しまれているキャラクターとして、不二家の前に立つペコちゃん人形や、薬局前に立つ佐藤製薬のサトちゃんや興和のケロちゃんなどもキャラクター看板に含まれます。

 

これらキャラクターは、平面、立体を問わず、店や会社をひと目で認識するアイコンになります。キャラクターを知らない人には、何のキャラクターだろうという興味を惹き、店や会社の知名度向上に貢献します。

 

また、「ペコちゃんがかわいい」「犬のお父さんがかわいい」と思ったお客さんに、キャラクターを通じて親しみをもってもらうことができ、キャラクターを通じてメッセージを発信することで、お客さんとの距離を縮めるコミュニケーションツールになります。

 

このような効果を踏まえると、看板戦略では、看板娘の代わりを務められるキャラクターを開発するのが理想といえます。

 

ただし、その際にもやはり、お客さんにどう見られたいかを考える必要があります。洗練されたスタイリッシュな店にかわいい系のキャラクターは合いません。居酒屋やバーなどお酒を提供する店で、子どもをモチーフにするキャラクターを使ってもなじみません。

 

お客さんは誰か、どんな人と、どんなコミュニケーションを取りたいのかといったことを明確にしたうえで、店や会社のイメージなどを正確に伝えられるキャラクターを作ることが重要です。

 

また、店主や社長のなかには「絵がうまい知り合いがいる」「イラストがうまい友達がいる」といった理由で、自分のコネクションを通じてキャラクターを作る人がいます。コネクションがあるのはすばらしいことです。ただ、イラストは小物や名刺で展開することが多いため、遠くにいる人にも周知する大きな看板には適していないことがあります。

 

例えば、パステル調の色を主としたかわいいキャラクターは、名刺などに使う分には良いアイコンになりますが、看板にすると色が薄く、目立たない看板になってしまうことがあります。それなら無理してキャラクターは使わず、目立つ文字だけにしたほうが結果としてマーケティング効果が高くなることもあるのです。

 

キャラクターやイラストのデザインと、看板のデザインは、どちらも大きな括りではデザインの分野です。しかし、看板を目立たせ、より多くの人に周知するためには、看板デザインならではのコツやポイントがあります。キャラクターなどを自作、または知り合いに頼んで作ってもらう場合には、看板の専門業者も交えて良し悪しや変更点を考える必要があります。

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※本連載は、越智一治氏の著書『看板マーケティング戦略』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

看板マーケティング戦略

看板マーケティング戦略

越智 一治

幻冬舎メディアコンサルティング

ピーター・ドラッカーは、マーケティングの理想は「販売を不要にすること」であると言いました。 つまり、営業マンが売り込みに走り回らなくても、商品やサービスが「自ずから売れるようにすること」が究極のマーケティングだ…

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